第456話
「涼…、きっと、
乗り越えられるよ。
時間が掛かっても、
憎しみも全て消えるから…
だから…」
私の首に当たっている
バタフライナイフの
ブレードが、
少しずつ自分の首の肉に
減り込んで行くのが分かる
「今、少しだけ気持ちが穏やかなんだ…。
今の自分のまま、
全てを終わらせたい」
涼はそう言うと、
私の首から
バタフライナイフを外した
そして、再び、
海に目を向けていた
「俺の母親、昔から短気で自分勝手な奴だったけど、
それなりには、
俺の事を愛していたと思う。
だけど、父親に女の影が
現れてから、
荒れはじめた。
そして、離婚したら、
それはますますエスカレートして…。
あの女なりに、
もしかしたら抱えているものが有ったのだろうな。
俺が女を殺すように、
俺を傷付ける事によって、
何かから逃げたかったのだろう」
涼はそう言うと、
空を見上げていた
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