第455話

「私は汚れてなんか

いないよ…。


涼が好きだから…」



そう言いかけて、

言葉が止まった



涼の目から涙が溢れていた



それは直ぐに、


激しく降る雨と

一つになって、


流れ落ちる





「俺の中で、

憎しみや恨みや、

女を殺したいって言う

欲望が、


段々と大きくなっているのが分かるんだ…。


もう、自分の力じゃあ、

それは抑え切れなくて…。

今も、咲を切り刻んでしまいたいって…。


愛してるのに…」

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