第454話

「咲だって分かっているだろ?

逃げ切れる訳ない。


俺が通報しなくても

遅かれ早かれ

こうなっていた。


あの仲居の女だって

咲に気付いていた…。


まだ確信が持てなくても

そのうち咲だって

確信するよ」




「だったら、また一緒に

逃げようよ…」



涼となら地の果てでも

行ける



死ぬ事だって、怖くない





「この島からもう出れないよ。

終わったんだ。


それに、俺はお前を

殺してしまう…。


今なら、お前を殺せる…」



涼は私の首筋に、


バタフライナイフの

ブレードを当てた



微かに切れたのか、

チクリ、とした

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