第409話

「涼、今何処に居るの?


涼に会いたいよ…」




涼に会いたい…



涼の顔が見たい…





『咲…』



涼は困っているようだった



だけど、私はもう一度、

同じ言葉を繰り返していた



「涼会いたいよ…」



私はそう言うと、

声を出して泣いていた



涼に会いたい…





『I県のF町に居る…』



涼のその言葉に、

私は俯いていた顔を上げた



私は何か返事を返そうとしたが、


上手く言葉が出て来なかった





『だけど、俺がそっちの方へ会いに行く。


今から2時間後、


K駅の前の本屋の前に

居てくれないか?


もし、咲がもう一度考えて来ないなら、

それはそれでいいから。



携帯電話は

もう此処に棄てる。

じゃあ』



涼はそう言うと、

一方的に電話を切った

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