第394話
「…俺だって、
こんな自分になりたかった訳じゃない。
お前や周りの奴らみたいに、
何も悩みなんか無くて、
生きていたかったよ!
だけど、あの女が…」
涼の表情が、
段々と歪んで行く
「小さな頃から、
俺は母親の顔色ばかり
見ていたよ…。
今思えば、幼児虐待ってやつかな?
殴られ、蹴られ、汚い言葉で罵られ、
愛情ってものを、
貰った記憶なんて、
殆どない。
何をしても、怒られて、
俺は毎日どうしていればいいのか分からず、
暮らしていた。
小さな体を抱え、自分なんか生まれなければ良かった、
いつも死にたいって
泣いていたよ。
身も心もあの女に
ボロボロにされて、
俺は生きてきた…」
涼のその言葉よりも、
表情や声色で、
母親に対する彼の憎しみが、
強く伝わって来る
その憎しみは、
とても強くて、
聞いているだけの
私でさえも、
涼の母親を憎んでしまう
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