第392話
「咲は、あまり母親に
重ならない…。
お前はまだ汚れていない。
だから、俺はお前を好きになったのかな?」
涼は床を眺めながら、
そう口にしている
私は涼のその言葉の意味が分からず、
ただ聞いているだけだった
「もう、お前は帰れよ。
また俺はお前を殺そうとするかもしれない」
「…いやだ、いやっ」
私はベッドから降りると、
涼の肩を両手で
強く掴んでいた
「俺、ずっと忘れていた…。
だけど、思い出したんだ…。
母親を殺したんだ…。
俺は二重人格なんかじゃない…
俺が…女を殺した…。
今も思い出しただけで、
あの快感が蘇ってくる」
涼は自分の両手を見つめ、声を出して笑っている
その姿はとても猟奇的で、恐ろしい殺人鬼だ
私はもう言葉が
出て来なくて、
代わりに涙が
溢れ出してくる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます