第356話

「涼、覚えてる?

修学旅行の時の事?」



咲の何の脈絡も無く、

突拍子も無いその質問に、

俺は思わず咲の方を

振り返っていた





「えっ、何がだよ?

具体的に話せよ?」




「修学旅行の時、

海の近くのホテルに

泊まったでしょ?


5月だから、誰も抜け出して海で泳ごうとかはしなかったけど、


私達は何人かで

近く迄海を見に行って。


だけど、海があんまり

綺麗じゃなくて」




「あー。すんげーゴミ浮いてて」



俺は懐かしくて、

体を起こし話す

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