第353話

「そうか…」



俺はそう言うと、

スタンドライトに伸ばした手を止め、


さっきから考えていた事を

口にした



「もし、警察に俺達が

見付かったら、


お前は俺に脅されて連れられていたって言えよ」





「何言ってんの?

そんな嘘言える訳ないじゃん」



咲は声を荒げ、

布団から体を起こした





「家族に迷惑掛ける気かよ?


お前が俺と一緒に逃げていたとなったら、

お前も罪に問われるかもしれない。


家族も世間からどう思われるか」




「いいよ。私は家族より涼を…」

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