第219話

俺は、田中の体をゆっくりと、

畳に押し倒した





「柏木君…」



田中は何かを期待するような目を、

俺に向けた



その目を見て、

田中が何を待っているのかが、

分かった



俺に、否定して欲しいんだ



嘘でもいいから、

俺に咲の事は好きではない



田中が好きだと、

そう言って欲しいのだろう



好きじゃない女の気持ちは、

嫌なくらいに、

よく分かる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る