第218話

「どうして二人とも鈍いんだろ?

だから、マナも意地悪になってしまうんだよ!


柏木君、咲の事好きなんでしょ?

咲だってそうだよ!

なのに、二人共好きじゃないって…。

どちらかが正直に話してくれたら、

柏木君の事、マナは諦めるつもりだった。


なのに…」



田中は言葉の最後には、

耐え切れず、


涙を流していた



俺は、田中の言っている事を、

最初、信じられなかった



だけど、そうで有って

欲しいと、


俺は思った



ほんの少しでもいい



咲は俺の事が好き



ならば、俺は踏み切れる

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