第204話
「あのさぁ…」
俺はそう言うが、
何を話せばいいのか
分からない
とくかく、
咲が無事かどうかを知りたくて電話を掛けた
何を話すかなんて、
考えていない
「お前の定期が家に有るんだ。
だから、その…」
俺は定期の事を口にした
その定期が家に有ると
言う事は、
なんらかの形で、
アイツが咲に会ったのかもしれない…
だけど、咲が、
アイツが女を殺している
場面を見ていたなんて、
この時、まだ俺は
考えもしなかった
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