第163話

「でも…」



愛美は困ったように、

首を捻っている





「私の事は気にしないで、

別に大丈夫だから」



私はそう言うと、

笑った



上手く、笑えたと思う





「うん…」



愛美は渋々頷く



そんな愛美の後ろから、


涼が教室に入って

来るのが見えた



一瞬目が合ったような

気がしたが、


私は直ぐに目を反らした



勝手に怒っている

自分が嫌なのに、


涼を見ると腹が立つ




昨日迄は、

涼が何かに落ち込み、


元気の無い事を心配していたが、

もうそんな気持ちも

無くなっていた



だって、愛美が言ったら

簡単に学校へ来る訳だから、

別に、もうどうでもいい

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