第131話

心がちぎれてしまいそうで、

救いを求めるように、


俺は携帯電話の

ダイヤルを触り、


田中愛美のアドレスを

呼び出した



そして、何の躊躇いも

緊張もする事無く、

彼女に電話を掛けていた



耳に、コール音が響く



出ても、出なくても、

どちらでも構わない





『…はい』



暫くして、

田中は電話に出た



田中の気持ちを俺は知っているからかもしれないが、

彼女の声は緊張しているように感じた

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