第3話 お隣さんと線路内と
次の日、
また目が覚めると
昨日と同じクジラの声が聞こえた。
だけど、昨日より少し大きくなっているような
気がする。
そういえば最近、
隣に誰か引っ越してきたようだった。
今日、学校行く前に少し時間あるし
挨拶してから行こうかな。
そう思いながら学校の準備をし、
朝ごはんを食べ、
日常を過ごして玄関の扉を開く。
ピンポーンという音を鳴らして隣の人を呼ぶ。
ガチャリという音と共に男の子が現れた。
私は驚いて
「ぇ..」
と声を漏らしてしまった。
だって昨日、
線路内で見たあの男の子と同じだったから。
「何の用ですか..?」
男の子は少し私に怯えながらそう言った。
「あ、最近引っ越してきたんでしょ?」
「だから挨拶的な..」
「私、右隣の三樂 月です!これから..よろしくね..」
「えっと..名前は?」
しどろもどろでそう聞くと
「空..,傘原 空です..」
と小さく答えた。
「えっと...」
「ごめん、もう少し大きい声で言ってくれるかな?」
「私、ちょっと耳悪くて..」
あははと笑いながらそう言うと
「傘原 空って言います..よろしくお願いします..」
と多分さっきよりも大きいであろう声が
聞こえた。
それより中学生くらいの年齢なのに、
もう学校に行かなきゃいけない時間なんじゃ..。
そう思いながらも
「もう、学校行く時間じゃないかな..?」
と聞くと
「学校は..,あまり行ってません」
「なので、大丈夫です...」
俯きながらそう答えた。
訳ありかな?
てか私も学校に遅れちゃう!
「私そろそろ行かなきゃだから」
「またね空くん!!」
そう言って空くんに背を向け学校に向かう。
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