第2話 聲と君の姿

放課後、そのことを仲のいい友達に話すと


「それさぁ、クジラじゃね?」


と言われた。


「クジラ?」


「近くに海無いのに?」


「それか幻聴だったりして!」


そう言いながら笑う友達。


クジラ...。


帰ったらスマホで調べて聞いてみようかな。


「てかさー、聞いてよ!!健也がさ〜」


そんなことを話して、


気づくと帰らなければいけない時間だった。


「じゃ、また明日〜」


「あいよ〜」




帰り道、私はいつも線路を通る。


古びていていつ壊れてもおかしくないような


線路。


踏切の音もどこか不気味に鳴り響く。


ふと踏切の内側に人がいるような気がした。


線路を凝視すると中学生くらいの男の子が


突っ立っていた。


通る時に踏切閉まっちゃったのかな?


そう思っていても中々その男の子は、


踏切内から出ようとしなかった。


そろそろ電車が来てしまう。


そんなことを思っていると、


もう男の子に電車がぶつかる寸前だった。


『あ、ぶつかった』


そう確信しながら細めた目を開くと、


そこには誰もおらず、


ただ人が車がいつものように通り過ぎている


姿だけ映っていた。


今のはなんだったんだろう..。


私、疲れてるのかな..?

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