冬の海に行くはずじゃ無かった

キオクは、8056に言われるまま

飴色のコアパーツを装備した。


「どう?」


「どうって言われても···なにも変わんないよ」


「変ね···」


「スーパーウルトラミラクル強くなれると思った?」


「うーん。おそらく装備しただけじゃただの飾り、って訳なのよ」


「なんか光ってるけど、笑える位

変化無し」


「猫は笑わないよ」


「人間が笑うなら動物も笑うさ。ラクダも河馬もね」


「私は、動物園とか水族館とか縁のない暮らしだったから···」


「そうだ。ねぇ海へ行こう!」


「·····」


「歩いてどれくらいかな。待って、

今計算するから。えっと10キロ無いくらいだ」


「悪くない提案だけど、歩きは嫌だ」


「じゃあ僕に乗りなよ」


「それ···マジで言ってる?

私ダイエット中なんだよね、人間時代からずっと」

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記憶旅行記〜キオクという猫〜 キオク @tayumukioku

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