第6話 勇者パーティ集合
俺達は部室の椅子に座って、話し始めることにした
「じゃあ、まず率直に言うと俺達がフィローディアの勇者パーティで間違いないんだな」
ここにいるメンバーが勇者イセトパーティの生まれ変わりで、それぞれが前世のことを思い出したと。
夢の中でフィロ神が出てきて自分達にそう伝えたと。
「俺が勇者イセトで、淳がジュディル、岸野さんがラミーナ。そして俺の家にいるペットのハムスターが使い魔のポフィ」
俺達があの世界で勇者パーティで魔王に攫われた姫を助けに行ったメンバーということで間違いないようだ。
「俺、前世のことが記憶にあるっすよ。フィロ神に覚醒させられたっす。俺、兄貴のことも岸野先輩にもも波長みたいなものを感じるんすよ。二人とも、俺の記憶の中にある仲間と同じ気配を感じるんす」
「ええ、私も同じくフィロ神様に目覚めさせられましたわ」
「みんなが同じ夢を見たってことは、やっぱり偶然じゃないんだろうな」
それぞれが同じタイミングで同じ夢を見るという偶然があるとは思えない。
しかも、夢というものではなく、眠りから覚めた後にもフィロ神のこともフィローディアの前世の記憶がしっかり覚醒してるのだ。
これまでに生きていたこの日本の記憶ではなく、前の世界にいた時のことだ。
「でもなんだっていきなり記憶が覚醒したんだろうな。俺達、これまでそれぞれこの世界の人間として生きていたのに、突然こんな共鳴みたいなことが起きるなんてな。あのフィロ神様、いったい何を考えてるんだ?」
なぜ突然こんなことが起きたのか。これまで一切なかった記憶をわざわざ呼び覚ますようなことを神がしたのはなぜか。
「夢の中であの人はこの町に危機が迫ってるって言ってたっすよね」
そう、フィロ神はそう言っていた。この町に危険が迫ってるからそれを阻止しろ。それを止める為に勇者の記憶を呼び覚ましたと。
「この町っていったって都会でもない、なんだってこんな普通の町に何が起きるっていうんだ。。あの人、肝心なヒントをくれないで記憶だけ覚醒させたな」
「この町に近いうちに危機が迫ってるってことは何か良からぬことが起きると言うことでしょうか? 魔王だとかこの地球ではありえないことをおっしゃってましたわ」
「この世界には魔法なんて存在もいなきゃ魔王だっていないっすよね。そんなのこっちではゲームの中だけの話っすよ」
「うーん、魔王がどうやってここの現れるっていうんだよ。それともそれは比喩で犯罪みたいな大事件や事故でも起きるっていうのか? もっとヒント欲しかったな」
俺達が頭をうならせていたところだった。
「ふぉっふぉっふぉ。ようやく揃ったか勇者達よ」
「うお!?」
突然、部室にあったデジタル原稿の作画用のパソコンが起動してモニター画面が光った。
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