堕空
つばめいろ
琥珀の星
私と君で夜を造る。部屋のまっさらな『そら』に宝石を敷き詰める。
まずは瑠璃を割って『そら』にばらまく。二人で手分けして白い『そら』を暗い青色に染めていく。明るかった部屋がどんどん暗くなっていく。君の顔もよく見えなくなった。手探りで箱を見つけ、中からまばゆい光を放つ琥珀を取り出す。暗い部屋の中、君の顔がわかるようになる。君は笑っていた。そして、琥珀を砕く。大きさの様々な宝石、星が出来上がる。
今度はそれを空に散りばめる。造り終わった頃には部屋の中は、星で照らされた薄暗い部屋になった。疲れたので、二人で寝ることにする。部屋を出て、ベッドに入る。
起きたときには、君が隣からいなくなっている。急いであの部屋を開けると、眩しい。『そら』が堕ちた。『そら』にあった宝石が全ておちている。誰がやったのかは見当がすぐついた。君だろう。何のためにやったのか。暗いのが嫌いだったのかもしれない。眩い光を放つ琥珀を見て笑っていたのは、明るいのが好きだからだろうか。君に聞くことは叶わない。地面の『そら』が教えてくれることはなにもない。ただ、大きな琥珀が光っていた。
堕空 つばめいろ @shitizi-ensei
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