幸せな宝物をありがとう

ホキニワラ

ストーリー

「ハァ~……、何だか毎日が退屈な日々だなぁ~……」


 私の名前はフィーミル。私の住む家は豪邸で、まるでお城のような家に住んでいるの。私はそんな家に住んでいるせいか、家の事情により、いつも習い事をしたり、食事のマナーを学んだり、パーティーに参加したりで、全然外出とかが出来なくて、毎日が退屈な日々になっていたの……。


 だけど、それは私が6才の時だったかな。ある日突然、私にとって、退屈だった日々がとっても楽しい日々へと変わっていたの♪


「お嬢様のお気持ちは分かります。メイドの私にとっても、外とかで遊ばせてやれないのが残念です……」


 この人はアリス。私の専属メイドで、私の気持ちを理解してくれている唯一の人で、私の友達であり、親友でもあるの♪ アリスは私が辛いときや悲しいときに真摯に寄り添ってくれたり、一緒に遊んでくれたりして、私にとって、とても大事な人なの♪


「ううん。アリス、ありがとう♪ でも私、アリスと遊ぶのとっても楽しいよ♪」


「お嬢様、そう言ってくれてありがとうございます♪ メイドの私にとって、そう思っていただけたのはとても嬉しい限りです♪」


 アリスはそう言って、私に暖かい笑顔を向けてくれたの♪


「ですがそれと同時に、お嬢様には同じ年頃の子と一緒に遊べたらいいなと思っております」


「うん……。アリスもやっぱり、そう思うよね……」


 アリスは続けてそう言って、私もそれに共感したの。


 私もアリスだけじゃなく、同じ年頃の子と遊びたいなと思うんだけど、そんな機会が中々無いんだよね……。


 トンッ……。


「「? 何かしら?」」


 そして私とアリスがそう思っていると、窓から何やら音が聞こえてきたの。


「あっ! お~い!」


「あっ! 男の子がこっちに手を振ってくれてる!」


「そのようですね。見たところ、どうやら小石を窓に当ててたみたいだね♪」


 何の音か気になり窓を開けると、玄関の外に男の子がいて、私が窓を開けたことに気付くと、その男の子は私たちに向かって手を振っていたの。


 ちなみにアリス曰く、窓から聞こえた音の正体は男の子が投げた小石を窓に当てた音みたいなの。


 そして、この男の子との出会いが私の退屈な日々を楽しい日々へと変えていく運命の人でもあったの♪


「それじゃ、私は男の子をお嬢様の部屋に連れてくるから、お嬢様はそのまま部屋で待っててね♪」


「は~い☆!」


 アリスは玄関の外にいる男の子を私の部屋に連れてくることにし、私はアリスに言われ、そのまま自分の部屋で待っていたの。


「お嬢様、連れてきたよ~♪」


「ニヒヒ! こんにちは!」


「こんにちは♪」


 アリスは男の子を連れてきて、私と男の子はお互いに挨拶をしたの♪


 アリスは何かを察しているのか、私と男の子の挨拶を見て、何だかとても微笑ましく見ていたの。


「それじゃ、まずはお互いの自己紹介をすることにしましょ♪」


「うん♪ そうしよ~う♪」


「俺もそうするぜ!」


 アリスは男の子を私の部屋に入れ、アリスの提案により、お互いの自己紹介をすることになったの♪


「それじゃ、私から自己紹介するね♪ 私の名前はフィーミル♪ 年は今6才で、この家のお嬢様として日々奮闘しているの♪ 好きなぬいぐるみは今持ってるくまさんで、名前はマラナちゃんっていうの♪ よろしくね♪」


「おぉ! よろしくな!」


 まず最初に私が自己紹介をし、くまのぬいぐるみのマラナちゃんのことも紹介したの♪


「それじゃ、次は私が自己紹介するね♪ 私の名前はアリス♪ フィーミルお嬢様のメイドをしていて、お嬢様をメイドとして、親友として、支えるのが私の幸せでもあるの♪ よろしくね♪」


「あぁ! こちらこそよろしくな!」


 次にアリスが自己紹介をし、アリスは男の子に私のメイドであることと、親友でもあることを伝えてくれたの♪


 アリスも私のことを親友と思ってくれて、とっても嬉しいよ♪


「それじゃ、次は俺だな。俺の名前はバーギルト! 年は俺も6才で、あそこにある小さな街で、父ちゃんと母ちゃんと一緒に暮らしてるんだ! 趣味は釣りと走ることだぜ! よろしくな!」


「うん♪ こちらこそよろしくね♪」


「こちらこそ、よろしくお願いいたします♪」


 次に男の子が自己紹介をし、私もアリスも改めて挨拶をしたの♪


 男の子の名前はバーギルトって言うんだね♪ うんうん♪ 覚えておこうっと♪


「それじゃ次に、バーギルトさんはどうして、お嬢様の部屋の窓に小石を投げていたの?」


「うんうん☆! 私もそれ気になってた♪」


 私たちの自己紹介が終わると、次にアリスがバーギルトにいよいよ本題となる、私の部屋の窓にどうして小石を投げていたのか聞いたの。


「そっ……、それは……、外に遊びにあった日、俺はたまたまここの家の近くに来て、すっげぇ広くて大きいなと思って、この家をしばらく見てると、フィーミルが窓を開けて、空の空気を味わっているのに気付いたんだ……」


「「うんうん♪」」


「で、俺はそのままフィーミルを見るのに夢中になっていて、何て可愛い子なんだろうと思っていると、フィーミルがどこか悲しそうな表情をしていることに俺は気付いたんだ」


「なるほどね♪ あれ? どうしたのフィーミル?」


「そっ……、その……、可愛いって言われて……、つい……」


 バーギルトは話の中で私のことを可愛いって言ってくれて、私は突然のことでびっくりし、顔が真っ赤になっていたの……。


 うぅ~……、可愛いって言ってくれるのはとっても嬉しいんだけど、全く予想していなかったから、とってもびっくりしちゃったよ~……。


「ふふっ♪ 確かにバーギルトさんの言う通り、お嬢様はとても可愛いですわね♪」


「もぅ~! アリスまでからかわないでよ~!」


「あはは……。それで俺は、毎日のようにフィーミルを見ていて、普段見せる笑顔にドキドキしていたけど、たまに見せる、悲しくて暗い顔を見てると、ちょっと心配だったんだ……」


「そっか……。バーギルトは私を見て、そう思っていたんだね……」


 私はバーギルトの話を聞いて、何だかとっても申し訳ない気持ちになったの……。


 バーギルトが私のことを毎日見ていたのはとてもびっくりしたけど、心配かけてしまったのは、何だか申し訳ない気持ちになっちゃうね……。


「あぁ。それで俺はフィーミルを助けるために今日、小石を窓に投げて、俺に気付かせるようにしたんだ」


「「なるほど~☆!」」


 つまりバーギルトは私のことを心配して、助けるために私の部屋の窓に小石を投げていたんだね♪


 小石を窓に投げた理由が分かって、とてもスッキリした気分だね♪


「バーギルト、ありがとう~☆! バーギルトのその気持ち、私、とっても嬉しいよ♪」


「あはは! フィーミルがそう思ってくれて、俺もとっても嬉しいぜ!」


「あらあら♪ まあまあ♪」


 バーギルトの気持ちを知った私は、とっても嬉しく、そのままの勢いでバーギルトに抱きついたの♪


「なるほど……。そうだったのか……」


 その後、私とアリスは家の事情により、私が外とかで遊べないことをバーギルトに話したの。


「うん。そうなの……。もう、パーティーや習い事ばっかりで、毎日がとっても退屈なんだよね~……」


「メイドの私自身もお嬢様に外を遊ばせたいんだけど、空いてる時間が中々無くて、外で遊ばせることが出来ないの……」


 私とアリスはバーギルトに、私が外で遊べないことにしょんぼりしていることをバーギルトに話したの。


「よし! だったら、今から俺と一緒に外に出てみようぜ!」


「「えっ!?」」


 するとバーギルトは、自分と一緒に外に出ることを提案し、私とアリスはとってもびっくりしたの!


「いっ……、いいの……? バーギルト」


「あぁ! もちろんいいぜ! 何たって俺は、フィーミルを助けるためにここに来たからな! ニヒッ!」


「バーギルト~……、ありがとう~……☆!」


 バーギルトが一緒に外に出ようって言ってくれて、私はとっても嬉しく、強く抱きしめて、バーギルトに感謝をしたの♪


「お嬢様、私もバーギルトの提案に賛成だよ♪ バーギルトと一緒に外に出よう♪ 私も一緒に協力するから♪ ねっ♪」


「うん☆! アリスもありがとう♪」


 アリスもバーギルトの提案に賛成してくれて、私はアリスにも感謝をしたの♪


「それじゃ、決まりだな! 俺がフィーミルに外の世界の素晴らしさを教えるぜ! ニヒッ!」


「うん♪ 楽しみにするねバーギルト♪ ニヒッ♪」


(ふふっ♪ とってもお似合いな2人だね♪)


 そして私は、アリスの協力もあり、バーギルトとアリスと一緒に外に出ていったの♪ 外の世界はバーギルトの言う通り、とても素晴らしいもので、バーギルトが住んでいる街にも行ったりして、いろんなことを体験して、とっても楽しんだの♪


 だけど、その出来事を知ったパパとママに私とバーギルトとアリスはこっぴどく叱られたけど、アリスとバーギルトの必死の訴えにより、パパとママは渋々許してくれて私に外出の許可が出たの♪ やった~♪


 アリスとバーギルトには、本当に感謝感激だよ♪


 そして、それからは外に出てバーギルトやバーギルトのお友達と一緒に遊んだり、食べ物とかを買ったり、釣りをしたりして、毎日とっても楽しんだの♪


 バーギルトとの出会いが私にとって、毎日が退屈な日々から毎日が楽しい日々へと変わっていき、バーギルトととっても仲良くなったの♪


 あと、アリスが陰で見守りながら、私とバーギルトで一緒に探検や宝探しとかもしていたね♪



 そして私が10才の時、バーギルトからある手紙が届いたの。


「バーギルトから手紙が来た~☆! 何て書いてるんだろう~……?」


「それじゃ、封を開けて、一緒に読もっか♪」


「うん☆!」


 アリスがバーギルトの手紙の封を開けることにし、一緒に読むことになったの♪


「どれどれ~?」


『フィーミルへ 今日はクリスマスの日で、雪が降ってて、何だかとっても楽しみだな! 雪が降り積もったら今度、アリスやみんなと一緒に雪合戦しようぜ! そして、今日はいつものように、フィーミルに俺が隠した宝物を探してほしいと思うんだ。今回の宝物はフィーミルにとって、きっととっても嬉しいものだと思うんだ。だから絶対、見つけてくれよな! バーギルトより』


 手紙にはこう書かれていて、要するに今回もいつものように、バーギルトがどこかに隠した宝物を私とアリスで探すという内容だったの。


 ちなみに逆のパターンもあって、私が隠した宝物をバーギルトが探すというのもやったことあるんだよ♪


「今日も宝探しをするんだね♪ どんな宝物か楽しみだなぁ~♪」


「そうだね♪ そういえば確かに今日はクリスマスの日で、雪が降ってきているね♪」


 そうなの♪ バーギルトの手紙にも書いてある通り、今日はクリスマスの日で、雪も降ってて街全体が何だかとってもロマンチックな雰囲気になっているの♪


「うんうん♪ 雪が降ってて、何だかとっても幸せな気分になるね♪ それにしても、バーギルトが言う私が喜ぶ宝物って、一体何なんだろう~……?」


 私はバーギルトの言う私が喜ぶ宝物が一体どんな物なのか、気になって仕方なかったの。


「う~ん……、それは確かに気になるわね。あら? よく見たら、手紙の他にも地図が入ってるね♪」


「えっ? あっ☆! 本当だ☆! 確かに、宝箱までの地図が入ってる☆!」


 手紙の中を改めて見てみると、そこには宝物の場所の在処を示す地図が入っていたの♪


 いつもなら、お互いに暗号とかを使ってやってたけど、今回は地図のみで宝探しをする感じだね♪


「それじゃ、アリス。今回も一緒に宝探しを始めよう♪」


「えぇ♪ もちろんですわ♪ 今回もお嬢様と一緒に宝探しをするのは私としてもとても嬉しいので♪」


 地図も見つけた私とアリスは、バーギルトが隠している宝物を見つけるため、宝探しを始めたの♪


 よ~し☆! 今回も宝物を見つけるぞ~☆! オ~☆!


「う~ん……、この地図って、どの方向から見ればいいんだろう~……?」


 私とアリスは外に出て、私は早速地図を見てみたんだけど、どの方向にすればいいのかよく分からなかったの……。


「う~ん……、この地図はこの方向から見ればいいんじゃない?」


「う~ん……、どれどれ~……、あっ、本当だ☆! この地図はこの方向から見ればいいんだね♪ アリス、ありがとう♪」


「いえいえ♪ お嬢様のためなら、私は全力でサポートするよ♪」


 アリスのおかげで地図を見る方向が分かり、私たちは地図を見ながら進んでいったの♪


「ふふっ♪ やっぱり雪が降ってると、何だかとっても幸せな気分になっちゃうね♪」


 雪がぽつぽつと降りながら歩いている私は、改めて雪が降ってたらとっても幸せな気分になるのを感じたの♪


「ふふっ♪ そうだね♪ 雪が降っちゃうと、なぜか幸せな気持ちになっちゃうんだよね♪」


 続いてアリスも私の気持ちに共感し、雪が降ると幸せな気持ちになるのを感じたみたいなの♪


「次はこっちを曲がればいいんだよね?」


「はい♪ その通りでございますお嬢様♪」


 地図を試行錯誤しながら見ている私は、この方向で合っているのかどうかアリスに何度も確認をしていたの。


 うぅ~……、10才にもなったのに地図をちゃんと見れてないの恥ずかしいよ~……。


「あっ☆! ねぇねぇ、見て見てアリス♪ ここのパン屋さん、今日限定のパンがたくさん売っているよ♪ せっかくだから今日限定のパンをたくさん買って、後でバーギルトたちと一緒に食べよう♪」


「それ、とってもいいね♪ きっとバーギルトさんたちもとても喜ぶと思うよ♪」


 それからもしばらく歩いていると、バーギルトたちと一緒に遊んでいたときによく来ていたパン屋さんを見つけ、そのパン屋さんが今日はクリスマスだということで、クリスマス限定のパンがたくさん売っていることを知った私は、アリスに頼み、クリスマス限定のパンを買ってもらったの♪


 宝探しが終わったら、みんなで一緒にパンを食べようと思ったの♪


「ふふふ~ん♪ みんなでパンを食べるのとっても楽しみだなぁ~♪」


「ふふっ♪ そうだね♪」


「あっ☆! 見て見てアリス♪ あっちの編み物屋さんで、手編みの手袋やマフラーが売ってるよ♪ あれも一緒に買おう♪」


「もぅ~、お嬢様ったら~、仕方ないですね♪ 手袋やマフラーも買ってあげましょ♪」


「わ~い☆! やった~♪」


 そして、次に私はこちらもよく行ったことがある編み物屋さんに行き、手編みの手袋とマフラーが売ってることに気付き、これもアリスに頼んで買ってもらったの♪


 バーギルトやアリスたちと一緒にお揃いで付けるのもいいかもね♪


 そして、その後もバーギルトたちと一緒に遊んだときに知ったお店を通り、私はその都度テンションが上がり、アリスはそんな私を見て、私が外の世界を楽しんでいることにとても嬉しそうだったの♪


 バーギルトと出会えたおかげで、私は外の世界がとっても楽しいよ♪


「う~ん☆! 何だか見たことあるお店ばかりだったから、すっごく楽しかったねアリス♪」


「はい♪ そうですわねお嬢様♪ そういえば、お嬢様はバーギルトさんのことが好きですか?」


 ドキッ!


「えっ……!? なっ……、何を言ってるの……!? アリス!」


 宝箱を見つけるためそのまましばらく歩いていると、アリスが突然とんでもないことを言ってきたので、私は心臓がドキッとし、とても動揺していたの!


 もぅ! 突然何言い出すのよアリス!


「てへっ♪ ちょっと、気になっちゃって言ってみたの♪」


「もぅ! 何でそんなことを言うのよ!? わっ、私は別に、バーギルトのことなんか、好きじゃないし、恋してないんだからね!」


「はて? 私はただ、お嬢様がバーギルトのことをとして、好きかどうか聞いたんだけど?」


「なっ!?」


 ボフッ!


 アリスのとんでもない質問に、私は必死になって否定したけど、どうやら私はアリスの質問にちょっと勘違いしていたみたいで、別に言わなくてもいいことを言ってしまった私はあまりの恥ずかしさに、顔が真っ赤になったの……。


「大丈夫ですかお嬢様!? 顔が真っ赤になってるけど……」


「ぐぬぬ……。もぅ! どうしてそういうことを先に言ってくれないのよ!?」


「えぇ~、だってぇ~、言わなかったらお嬢様がどう答えるのか楽しみだったんだも~ん♪」


「なっ!? もぅ~! そんなことでからかわないでよね!」


 アリスにからかわれたと知った私は、つい早口になってアリスを怒っていたの。


「はいはい♪ でも、そんな意地張って恋してないって否定しているってことは、もしかして……」


「あぁ~もぅ~うるさい! そうよ! 私はバーギルトのことが大好きで恋をしているの!」


「あらら~、やっぱり~♪」


 ハッ……! 言っちゃった……!


 アリスに翻弄された私は、バーギルトのことが本当は大好きで恋をしていることをアリスにうっかり言ってしまったの……。


 ぐぬぬ~……! このままバレずにいけると思ったのに~……!


「ひょっとしてアリス、私がバーギルトに恋してるの知ってたでしょ?」


「はい♪ もうとっくに気付いてて、バレバレです♪」


「なっ!? やっぱり気付いていたんだね! どうして今まで黙っていたのよ!」


「だってぇ~♪ お嬢様が必死に自分の想いを隠そうとしていたのが可愛いかったんだもん♪」


「ムキ~! アリスは何勝手にそんなことで楽しんでいるのよ~! もぅ~!」


 私はアリスに全て見透かされていたことを知ってムキになり、そのままほっぺを膨らませたの。


 まさか、全てがバレバレだったなんてね……。


 確かに私はバーギルトに恋をしていて、こうやって宝探しとかをしているうちに次第にバーギルトと一緒にいるのが楽しくなって、やがて好きになっていき恋をするようになったの♪


 だからバーギルトが今回も宝探しをすることにとても嬉しかったし、クリスマスに雪が降ってても私はすぐに宝探しをするって決めたの♪


 バーギルトの言う私が喜ぶ宝物がどんなのかはまだ分からないけど、きっと今まで一番幸せな宝物だと私は思ったの♪


「それじゃ、お嬢様。気を取り直して、宝探しの続きをしましょ♪」


「うん♪ そうだね♪ それじゃ気を取り直して、宝探しを再開するぞ~☆!」


 そして、私とアリスは気を取り直して再び宝探しの続きを再開したの。


 アリスにかなり翻弄されちゃったけど、絶対に宝物を見つけるんだからね♪


「えっと~……、確かここら辺かな?」


「はい♪ 地図を見てみると、宝箱の場所はここになってますね♪」


 宝探しを再開した私とアリスはそれからも歩き続け、遂に宝箱を示す場所に辿り着いたの♪


「それじゃ、お嬢様。この辺りに宝箱があるはずだから、手分けして探しましょ♪」


「うん☆! 探そう探そう♪」


 そして、私とアリスは手分けして宝箱を探すことにしたの♪


「宝箱どこかな~? ここかな~?」


 ガサゴソ……。


「う~ん……、あっ☆! あった♪ アリス、宝箱が見つかったよ~♪」


「本当ですか!? お嬢様、おめでとうございます☆!」


 私とアリスで手分けして宝箱を探していると、遂に宝箱を見つけることが出来たの♪


「遂に見つけましたね♪ お嬢様」


「うん☆! 中にはどんなのが入ってるんだろう~? 早速、中を開けてみよう~っと♪」


「そうだね♪ 早速、中を開けてみよう♪」


 宝箱を見つけた私とアリスは、早速中を開けてみることにしたの♪


 中にはどんなのが入ってるんだろう~? とっても楽しみ♪


「いっくよ~♪ それっ☆!」


 パカッ!


「「どれどれ~……?」あっ、これって……」


 宝箱を開けた私は中にどんなのが入っているのかアリスと一緒に覗いてみたの♪ そして中を覗いてみると、私はちょっとドキッとしたの。


「ひょっとして……、結婚指輪?」


「みたいですね♪ どうやら、バーギルトさんが今回隠した宝物は結婚指輪みたいだね♪」


「そう! 俺が今回隠した宝物は結婚指輪だぜ!」


「あっ☆! バーギルト♪」


 宝箱に入っていたのは2つの結婚指輪で、私はそれを見てドキッとしてると、バーギルトが私とアリスの前に姿を現したの♪


「よっ! まずはフィーミル、アリス。俺が隠した宝物を見つけておめでとう!」


「ありがとう♪ バーギルト♪ でも、どうして今回の宝物は結婚指輪にしたの?」


 バーギルトが私とアリスに宝物を見つけたことを祝福し、私もそれに感謝し、その後どうして今回の宝物が結婚指輪だったのかをバーギルトに聞いたの。


「そっ……、それはだな……、俺はフィーミルのことが大好きだから……」


「へっ!?」


 バーギルトが今回の宝物を結婚指輪にした理由を私のことが大好きだからと答え、私はとてもびっくりし心臓がバクバクと鳴り響いていたの。


 そしてアリスはというと、木の陰に隠れていて私とバーギルトのやり取りをニコニコしながら見ていたの。


 多分アリスは、全てを察しているんだね♪


「そして俺はいつかフィーミルと結婚したいと思い、今回の宝物を結婚指輪にしたんだ……」


「そうだったんだ……!」


 バーギルトはいつか私と結婚したいと思い、今回の宝物を結婚指輪にしたみたいで、それを聞いた私は嬉しさのあまり、心がとてもキュンキュンした気持ちになっていたの♪


「それじゃ……、私が喜ぶ宝物って……」


「そう! 結婚指輪だったらきっとフィーミルもとても嬉しい気持ちになると思ったし、雪が降るクリスマスの日にしたのは、フィーミルへのクリスマスプレゼントのつもりなんだ。それでフィーミルは俺が隠した宝物が結婚指輪だと知って、どう思った?」


 バーギルトがクリスマスの日に結婚指輪を宝探しの宝物にしたのは、私へのクリスマスプレゼントのサプライズだったみたいで、それを知った私は嬉しさや感動のあまり、涙が出ちゃったの。


 バーギルトが言う私が喜ぶ宝物ってこういうことだったんだね♪


「うん☆! すっごくすっごく嬉しかった♪ 私もバーギルトのことが大好きで、もしかしたら片想いかもしれないと思って、不安な気持ちだったけど、今回の宝探しでこの気持ちが両想いだと分かってすっごく嬉しいし、クリスマスの日にこんなサプライズが待っていたなんて、私、今まで一番すっごく幸せだよ☆!」


 私はバーギルトに、結婚指輪が宝物でクリスマスプレゼントでもあったことやこの恋が両想いだと分かったことがとっても嬉しかったことをいっぱいい~っぱい伝えたの♪


「フィーミル……! ありがとう! そう思ってくれて、俺もとっても嬉しいぜ! それじゃ、フィーミル。結婚はまだ先になるけど、結婚を前提に俺と付き合ってください!」


「はい☆! こちらこそ、よろしくお願いします♪」


 雪が降っているクリスマスの日、バーギルトは私にプロポーズをし、私はバーギルトからのプロポーズを受け取ったの♪


 今日この日は、私にとって、今まで一番幸せな日だよ♪


「これでどうかな?」


「うん♡。ありがとう♡」


 バーギルトからのプロポーズを受け取った私は、その後すぐにバーギルトから結婚指輪をはめてもらったの♪


「ねぇ、バーギルト。私がバーギルトに結婚指輪をはめてもいい?」


「あぁ! もちろんいいぜ! ニヒッ!」


「ありがとう♪ ニヒッ♪」


 そして私は、宝箱にもう1つあった結婚指輪をバーギルトにはめたの♪


「これでお揃いだね♪」


「あぁ! そうだな!」


「ねぇ、バーギルト。今度はハグをしてもいい?」


「あぁ! いいぜ! 俺もフィーミルと同じで、ハグをしたいと思っていたんだ! ニヒッ!」


「バーギルト、ありがとう♪ ニヒッ♪」


 ギュッ♪


 お互いに結婚指輪をはめた私とバーギルトは、次にハグをしていたの♪


 クリスマスの日にこうして、好きな人とハグをするのは胸がドキドキして、何だかすっごく幸せな気持ちだよ♪


「エヘヘ~♪ クリスマスの日にこうして、バーギルトとハグが出来るなんて、私すっごく幸せだよ♡」


「あぁ。俺もだよ。フィーミル」


「雪がすっごくきれいだね」


「そうだな。すっごくきれいだな!」


「ねぇ、バーギルト」


「ん? どうしたフィーミル」


「もうちょっとだけ、このままハグしてもいい?」


「あっ……、あぁ……。いいぜ。もう少しだけこのままでも……」


「うん♡。ありがとうバーギルト♪」


「ふふっ♪ この2人はやっぱりお似合いだね♪ それに、照れてるお嬢様も可愛いけど、バーギルトさんが照れちゃってるところも可愛いね♪」


「「……ハッ!」」


「ふふっ♪ 2人共、とっても初々しくて可愛かったですよ♪」


「「ダァ~~~~!!!!」」


 私とバーギルトは我に戻り、アリスがいたのを思い出し辺りを見渡すと、木の陰に隠れたアリスがとっても楽しそうに私とバーギルトのやり取りを見ていて、私とバーギルトは頭がパンクしパニックになっていたの!


 バーギルトとの2人だけの世界に入っちゃって、アリスがいたのをすっかり忘れちゃったよ~……。


「アリスがずっと見ていたと思うと、何だかすっごく恥ずかしいよ~……」


「おっ……、俺も……、アリスが今まで見ていたと思うと、すっごく恥ずかしくなってきた~……!」


「ふふっ♪ お嬢様もバーギルトさんもとても素敵だったよ♪ それじゃ2人の交際スタートを祝して、みんなで一緒にパンを食べよう♪」


「「うん☆! 食べる食べる~♪」」


 その後、何とか冷静な気持ちに私とバーギルトはアリスの提案で、他のお友達と一緒にバーギルトの家に集まり、さっき買っていたパンをみんなで一緒に食べたの♪


 そして、これもさっき買っていた手編みの手袋とマフラーは一部をバーギルトやみんなにプレゼントしたの♪


 何だかクリスマスパーティーみたいで、すっごく楽しかったね♪



 そして、月日は流れ10年後……。


「あの時の約束、遂に叶えられたね」


「うん♪ あれからもう10年か……。バーギルトと出会ってから14年、付き合ってから10年。何だかすっごく毎日が楽しくて、幸せだったね♪」


「だな! 俺もフィーミルと出会ってから、毎日がすごく楽しくて幸せだったぜ!」


 20才になった私とバーギルトは結婚をすることになり、今日は私とバーギルトの結婚式の日なの♪


 あの日の宝探しのプロポーズからもう10年になるんだね♪


「お嬢様、おめでとうございます♪」


「うん♪ ありがとう♪ アリス♪」


――……――


「あなたはこれからも夫との愛を誓いますか?」


「はい♡。誓います♪」


 こうして、私とバーギルトは結婚をし無事にゴールインしたの♪


 6才の時にバーギルトが私の家に来てから14年。それからは毎日が本当に楽しくてとっても幸せな日々だったの♪


 そして、10才の時に雪が降っているクリスマスの日の宝探し。その宝物は今もこうして、私とバーギルトの赤い糸を結んでいます♪


 バーギルトが私にあげたあの日の宝物は私にとって、すっごくすっご~くとっても幸せな宝物だよ♪ そして、これからも私とバーギルトは永遠の愛を誓います♪

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