まず、かなり挑戦的で珍しい作品という印象を受けました。
怪異と経済の関係を詳細に描きながら、社会全体の景気や政策が個人の生活や倫理観にどのような影響を与えるかを問う作品です。
物語は、怪異が契約によって人間の魂を得る仕組みを金融システムと重ね合わせ、魂利(魂の利息)という概念を通じて、金融政策の原則や社会の風潮を考察しています。
本作の特徴は、単なる怪異ものではなく、経済学や金融政策の視点から怪異契約を分析している点にあります。不景気の中で怪異との契約が減少し、それがさらなる不況を生んでいるという「怪異不景気」の概念は、現実のデフレや信用収縮とリンクしており、現代社会への風刺としても機能しています。特に、社会派怪異作品が契約のリスクばかりを強調し、契約そのものへの恐怖を煽ることで、経済的停滞を助長しているという視点は興味深いです。