第6話 方向感覚の精霊ナビゲーター
ひかるが次の冒険に出かけると、辺りは霧に包まれ、何も見えなくなりました。森の中の道はどれも似ていて、どっちに進めばいいのか分かりません。
「どうしよう…。どの道が正しいんだろう?」
ひかるは不安で立ち止まってしまいました。そのとき、遠くから小さな光が現れました。その光はひかるのそばまで来ると、ふわりと宙に浮かんで形を変えました。それは、星のように輝く小さな精霊でした。
「こんにちは、ひかる!私は方向感覚の精霊、ナビゲーターだよ。迷っているようだね。」
ナビゲーターは輝く羽を持ち、優しい声でひかるに話しかけました。
「うん…。どの道を進めばいいか分からなくて。」
「大丈夫。迷うのは成長するために必要なこと。でも、どんなときでも進むべき道は必ず見つけられるんだよ。一緒に探してみよう!」
ナビゲーターはひかるを連れて、霧の中を進んでいきました。
「ひかる、ここで一つ質問するよ。君はどこに行きたいと思っている?」
「僕?えっと…幸せな未来に行きたい!でも、そのためにはどうすればいいか分からないんだ。」
ナビゲーターは頷きました。「なるほど。それじゃあ、まず君の心の中を見つめてみよう。何が本当に大切なのかを知ることが、進むべき道を見つける鍵なんだよ。」
ナビゲーターが手を振ると、霧が少しだけ晴れて、分かれ道が見えてきました。一つは明るい花が咲く道、もう一つは険しそうな坂道でした。
「どちらを選ぶ?」
「うーん…。楽そうなのは花の道だけど、もしかして坂道のほうがいいのかな?」
ナビゲーターは笑って言いました。「どちらが正解かは分からないよ。でも、どちらを選んでも君が進む道には意味があるんだ。」
ひかるは少し考えてから、坂道を選びました。「僕、チャレンジしてみるよ!」
坂道を登るのはとても大変でした。足が痛くなり、疲れて何度も立ち止まりそうになりました。それでもナビゲーターはひかるのそばで励ましてくれました。
「ひかる、進むのを諦めないで。君ならできるよ!」
途中でひかるは、小さな声が聞こえることに気づきました。それは「もうやめようよ」「無理だよ」と囁くような声でした。
「この声、僕の心の中から聞こえてる…?」
ナビゲーターは頷きました。「そうだね。心の中には時々、不安や恐れの声が生まれるんだ。でも、それに負けないで。君の本当の心の声を信じてごらん。」
ひかるは目を閉じて、自分の心の声に耳を澄ませました。すると、「頑張れ、もう少しでゴールだよ!」という力強い声が聞こえました。
「これが僕の本当の心の声なんだね!」
その声に勇気をもらい、ひかるは力を振り絞って坂道を登り続けました。そして、頂上にたどり着くと、そこには美しい景色が広がっていました。
頂上でひかるが景色を楽しんでいると、ナビゲーターがそっと言いました。
「ひかる、これが君が自分の力でたどり着いた場所だよ。君の心の声を信じたからこそ、ここまで来られたんだ。」
「本当にありがとう、ナビゲーター!僕、これからも迷ったときは自分の心を信じて進むよ。」
ナビゲーターは満足そうに微笑みました。「それが一番大事なことだよ。どんなときでも君の心が君の道を示してくれる。だから、自分を信じて進んでね。」
ひかるはナビゲーターに感謝しながら、次の冒険に向けて歩き出しました。
「僕なら大丈夫。これからも自分の道を探して進んでいこう!」
こ うして、方向感覚の精霊ナビゲーターとの冒険は終わりましたが、ひかるの心には新たな力が宿っていました。次の精霊との出会いでは、また新しい成長が待っています。
ひかるの旅は、まだまだ続きます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます