第5話 閉塞成冬【そらさむくふゆとなる】

降谷小雪様


拝啓

 寒さも日毎に増します今日この頃、降谷先輩におきましては、いかがお過ごしでしょうか。


 先日は、お返事ありがとうございました。

 お気づかいのお言葉、身にしみました。

 ありがとうございます。


 私は、どうしても降谷先輩のようにはなれない、と思ってしまいます。

 凡人である私は、どうしても才能のある人たちを妬ましく思ってしまうし、羨ましく思ってしまうのです。


 そんな自分が、惨めで、みっともなく感じられて、どんどんと嫌いになっていくのです。


 どんなに仲が良い友達であっても、その友達にどんなに「あなたの作品は【素晴らしい】」と言われても、惨めで惨めでしょうがないのです。だって、評価【された】のはそちらで、評価【されなかった】のはこちらなのだから。


 確固たる自信があれば、確固たる自分がそこにいれば、私は彼ら・彼女らに嫉妬せず、羨望も抱かず、ルサンチマンをかかえたままでもいないでしょう。


 だから、私は、自信が、揺らがない【自分】が欲しいのです。


 読み苦しい駄文でございました。

 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


 先輩も心身の調子を崩されないようご自愛ください。

                             敬具

202×年12月7日

                           雨野千晴

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