第4話 橘始黄【たちばなはじめてきばむ】
雨野千晴様
拝啓
師走を迎え、ますますご多忙の時期に恐れ入ります。
さて、結果が出せない自分に対して、結果を出している他者を見ると、嫉妬したり、羨望を抱いたりすることは、しょうがないものです。それは生理現象と同じだと思っておいたほうがいいでしょう。
ただ、それを表に出してそのままのかたちで発散することはよくありません。心中におさめて、しばらく時間をおいて醸造させ、作品というかたちに昇華するほうがよろしいかと思います。私も、そういうルサンチマンを原動力に作品を書いてきました。
勝手な想像ですが、今、雨野さんは心がしんどい状態なのではないでしょうか。少し筆をおいて休むということも、時には必要だと思います。
時節柄くれぐれもご自愛くださいませ。
敬具
202×年12月2日
降谷小雪
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