3.瞑目します
四皿目はシャンピニオンタルト、きのこのタルトです。
たけのこと百年戦争をしているお菓子ではありません。大まじめに菌類、きのこをタルトにしています。このハイソな発想は、平民には、なかなか理解が追いつきません。
マッシュルームを、やはりペーストにしてバターこってり生クリームたっぷりのフルブーストで、いよいよコンビニスイーツのボリューム感に迫ります。一口サイズでも四天王最速だった容積が、縦(X軸)横(Y軸)高さ(Z軸)で各三倍、カロリー
そしてその上面に、薄切りされたトリュフが、あざやかな大輪の
皿の空きスペースにマッシュルームパウダーで描かれた、多分きのこのイラストはエレクチオンなアレにしか見えませんが、まあ、妖艶な雰囲気と言えなくもありません。四天王の自称リーダー、傾国の美貌に
いや、もう、本気で重い、重いです。菌類がこんなに重くなるなんて、信じられません。奥ゆかしいふりをしたマッシュルームとトリュフの風味が、とんでもない情熱をさらけ出して騎乗位です。
ワインとの相乗効果もひどいです。口がフラットになる瞬間がありません。
だがしかし、忘れてばっかりですが、今はお仕事の会食、下っぱが一人で進行を遅らせたり、勝手に水を追加注文するなど許されません。ここは治外法権のおフランス料理店、水も高級ミネラルウォーターのみ、有料なのです。最後の手段は、お手洗いの水道水を飲むしかありません。
それでも……あなたに立ち止まるわけには、いかないんです……!
五皿目、苦境に光が差します。ふかしポテトと玉ねぎのホワイトソースがけ、です。天使です。天使が見えました。
素晴らしく
ホワイトソースも優しい味です。ハ◯スのレトルトを倍に薄めたくらいの優しさです。すみません、
続く六皿目もホワイトソースがけ、白身魚のソテーです。やっぱり優しい外観ですが、ホワイトソースの色が、少し濃いめになっていることを見逃せません。恐らくバターが増量、チーズも加えられているでしょう。
いや、素材やシェフが悪いわけではありません。トンカツのソースと
温和で知的なイケメンが、
私が間違っておりました。この
客は神ではなく、お店と客は対等、いえ、健康とお給料をかけて戦う
見事に味を濃縮されたホワイトソースが、白身魚の風味をも引き出します。乳脂肪の暴力が、ドメスティック・バイオレンスに
ごめんあそばせ、ムッシュウ。わざとじゃないんですよ!
心の中で決め技の
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