第3話 イェルの住む施設へ

 無事ボクの住んでいる町に付き施設まで向かった。そして目的地に着きキャリナが玄関にノックした。


 コンコンコン


「はーい、なんじゃ?」


 中からボクの知る施設の関係者であるノッペさんが顔を出した。知らない2人の後ろにボクを見つけると


「おお!イェル!無事じゃったか!!」


 と嬉しそうに抱きついてくる。怪我は治ったとはいえこの人のハグは少し強すぎるのが難点だ。


「この子、ブラッドウルフに襲われていたんです」

「俺たちが来なかったらどうなってたかわからなかったよ」


 それを聞いてノッペさんはムッとする。


「イェル、お前はまたあの場に近づこうとしたじゃろ!!」


 ………ボクは正直に頷いた。


「しばらく自室で反省してなさい!お二方は恩人としてお茶でも振る舞いますぞ!」


 ボクは頷いて自室へ向かった…でも、あの2人にボクのことを話すのでは……しばらく経ってから聞き耳しよう。




 ある程度経ってボクは客間の前に来た。


「お茶とお菓子、ご馳走様でした」

「手作りお菓子を食べたのは久々だから美味しかったです」

「シェイン、あたしも以前お菓子を作ったような…」


 2人はいる。もう話した後なのかどうか…。


「ところでここってどんな施設なんです?」


 キャリナは疑問を投げかけた。それにノッペさんが答える。


「ここは戦争や病気で孤児になった子供たちを養う施設なのです。私も昔は家族がいましたが、今は独り身になりました。だから、私より力が弱い子供達の助けたかったのです」

「ということはイェルも孤児になったのか」


 シェインはボクの名を挙げた。


「ええ…あの子の場合は…」


 やだ……


「元いた町から…」


 やめて…聞きたくない…!!


 バァンッ!!


 ボクは客間の扉を開けて話を遮った。

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