第十一の告白者 ショウ 7

「次の告白者を指名します。」

冷たく響く声に呼応するように、部屋のモニターが光を放つ。全員の目が次の数字を注視する。


“7”


ショウ。


これまであまり目立たなかったショウ(7)は、少し戸惑った表情を浮かべながらゆっくりと立ち上がった。その鍛え上げられた体躯に似合わぬ慎重な態度に、他の参加者たちは一斉に注目する。


「やっと俺の番か。」

短く呟いた後、ショウは円卓の中央に視線を移した。


「ショウさん、そんなに緊張しなくていいよ!」

サクラ(2)が無邪気に声をかける。


「…緊張なんかしてないさ。」

ショウは苦笑しながら答えた。「ただ、どこから話せばいいのか分からないだけだ。」


「どこからでもいいわよ。」

アイリ(8)は冷静な声で促す。「ただし、ちゃんと“真実”を話してね。」


ショウの告白

「俺は、誰かを守るために人を傷つけてきた。」


その言葉が響いた瞬間、部屋中の空気が一変する。


「守るために傷つけた?」

カズキ(5)が冷たい視線を向けた。「それでどうして平然と話していられるんだ?」


「平然なんかしてない。」

ショウは視線を伏せた。「ただ、俺にはそれしか選択肢がなかった。」


「誰を守るためだったの?」

ミカ(3)が慎重に尋ねる。


「家族だ。」

ショウは短く答える。「俺が暴力団に入ったのは、家族を守るためだった。」


「暴力団?」

ケンタ(10)が驚いたように言った。「それで、具体的に何をしたんだ?」


「簡単なことだ。」

ショウは一瞬の沈黙の後、静かに答えた。「脅す、殴る、時には命を奪う。それが俺の仕事だった。」


質問タイム開始

「質問タイムを開始します。」

無機質な声が響き渡ると、次々に質問が飛び交う。


質問 1: ユウスケ(4)

「お前がその家族とやらを守るためにしたこと、それで本当に守れたのか?」


「…分からない。」

ショウは低く答えた。「少なくとも、俺が手を汚している間、奴らに手出しはされなかった。それだけは確かだ。」


質問 2: アイリ(8)

「守るために命を奪った…それが本当に正しかったと思う?」


「正しいなんて思っちゃいない。」

ショウは視線を落とした。「ただ、俺にはそれ以外の方法が見つからなかった。」


質問 3: サクラ(2)

「怖くなかったの? 誰かを傷つけるのってすごく怖いことだよね。」


「怖かったさ。」

ショウは微かに笑った。「でも、俺が怖がってたら、家族を守れなかった。それだけのことだ。」


質問 4: カズキ(5)

「お前はその暴力団で、どれだけの人を傷つけた?」


「数えきれない。」

ショウは短く言った。「ただ、その中には、本当に守る必要があった人間もいたかもしれない。」


判断タイム

「質問タイム終了。」

無機質な声が告げると、参加者たちはそれぞれの判断を固めた。


各参加者の判断

カズキ(5): 「真実だろう。」

ケンタ(10): 「真実だな。嘘をつける奴には見えない。」

サクラ(2): 「真実! ショウさん、優しそうだもん!」

アイリ(8): 「真実ね。過去に苦しんでるのが分かるわ。」

結果発表

モニターが光り、結果が表示される──


“真実”


記憶の報酬とペナルティ

正解者: 全員

ショウ: 「最初に命令で人を傷つけた記憶」を取り戻し、深い苦悩の表情を浮かべる。

他の参加者: それぞれの記憶を取り戻し、物語の伏線がさらに絡み合う。

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