毒毒日記

稲村 周平

第1毒 SNSにいる神様

 皆さんは信仰なさっている宗教をお持ちだろうか?

 恐らく殆どの人は「無信仰、無宗教」と答える。しかし、クリスマスを祝い、正月には初詣、ハロウィンで乱痴気騒ぎをして葬式は仏教でも「無い」と言うはず。

 

 そう、これらは単なる形式的なもので心からの信仰ではない。

 だがYouTube、Twitter、インスタグラムなどで誰かをフォローし、人生の理想モデルにしている人は多いと思う。実在の人物に限らずアニメや映画の登場人物だってお手本にしている人はいるはず。


 かくいう私も大学生の頃にファイトクラブを見てタイラー・ダーデンのファッションを真似し、商業主義を批判した。

 理由はシンプル、同一化だ。彼の考えやファッションを取り込み、表面化させる。

 私はたまたまタイラーだったが、これがインスタグラマーだったり、アイドルだったりするだろう。(もちろんフォローしているから信者!という暴論を言うつもりもないのであしからず)


 これは一種の信仰ではないだろうか。俗に言うインフルエンサーたちの言うことを意識し、実行する。

 私はいい年した人間なので鼻をほじりながら「普通に働いてる労働者達がいるから娯楽要員でお前らが喰えてるんだぞ」と罵れるが、子供だったらそうはいかないだろう。

 小学校くらいの、子供が自分の思考を育てている最中にSNS神様たちの歪ん……崇高な理念や、お姿を見聞きすれば純真無垢な心はドブの色に早変わりだ。


 理想や価値観を一方的に押し付けるSNSは子供には刺激が強くて心の発育に悪いものだと思う。

それにコメント欄で反論しようものなら信者が駆け寄り豪速球で石を投げてくる。


私は一刻も早く信者たちが目を覚まし、SNS神様ことインフルエンサー達を地べたに引きずり落とす様が見たい。

これは社会的意義とか関係なく、単に私が時代遅れの偏屈男だからである。

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