イタミ

喜遊元 我可那

第1話 イタミ

 今朝、ちょっとしたミスで、指先を切って軽く怪我をした…。


 ほんのちょっと切っただけなのに、溢れ止まらない鮮血が、ポタポタと机に、床に落ちていく…。


 早く止血をしなければと、少し焦りながらも、流れつたう真っ赤な血を見ながら、ふと思った…。


 このイタミは、指先を切ったイタミ…。


 この世に幾つのイタミがんだろう…。


 一体何種類のイタミが…んだろう…。


 直ぐに思いつくのは、肉体的イタミ。


 心のイタミ。


 他にあるイタミは、これから先、増え続けるんだろうか…。


 こんなにもイタミが多い世界に、生きる意味があるんだろうか…。


 そんなのは嫌だ…。


 イタミしかない世界は、生きてる意味がある様にはとても思えないよね…。


 ならさ、イタミの無い世界を創ろう…。


 世界をイタミから解放してやろう…。


 でも最初は、イタミの辛さを全ての人に知って貰わないとね…。


 さて、人知れずに一人一人、イタミを植え付けてやろうかな…。


 先ずは呑気なバカに、しっかりと教えてあげないとね…。


 全人類を相手にするのは、とても骨が折れるだろうけれど、それが僕のする事だと思うからさ、その使命感だけで何とかなる気がするよ…。


 さぁ今日から僕は、イタミの請負人として、沢山のスキルを磨いていこう…。


 そして全てのクズ達を一人残らず、この腐った世界から解放してやろうと思うよ…。


 それじゃ僕は今から、闇へと身を潜めなくちゃね…。


 全てのイタミを知る僕が、唯一出来る事を…しようか…。


 それじゃ皆んな…最上のイタミを心待ちにしててよね…。


 あぁ…これからイタミを教え、この世から解放させると思うと…心がイタイよ…。


 でもこのイタミを感じるのは…、辞められない…。


 そんな気持ちを持ったまま、僕は闇に消えていく…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

イタミ 喜遊元 我可那 @tomotomo7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ