第8話 理力のしくみ
(海……)
それは確かに化け物と言われても仕方のないことかもしれない。
前線で戦う軍人がドラム缶一つ分の
リアムが軽く指を振ればパシュンと水の球体は霧散した。
「さっき、外で雷光とか巨大な氷晶が見えたでしょう?アレですアレ。あれがうちの上司なんですよ。もー嫌になっちゃうくらいの異次元の強さなんです」
まぁ大佐は滅多に仕事しませんが……と続けてリアムも
成程、そう言われてしまうとリアムの非戦闘役職というのも納得がいった。
あの時見た雷や氷の結晶は、唯舞の目から見てもまるでハリウッド映画のようなそれは凄まじいものだったから。
「それでこの
「なるほど」
それは何となく唯舞にも分かった。
弟がしていたゲームでも魔法や技を使う時には
ちなみに唯舞は弟の隣でずっとプレイを見ているタイプの人間で実際にやってみた事はない。
唯舞の飲み込み具合を視線で確認しながらリアムは話を進めていく。
「そしてその容量いっぱいまでなら
「…………精霊」
THEファンタジーの代名詞の一つでもある精霊。
現世ではもちろん、ゲームや映画、おとぎ話の中でしかお目にかかったことなどない存在だ。
だが、話を聞くにこの
「精霊は
そう言うとリアムはまた器用に水の球体で手のひらサイズの惑星を作り上げ、その周囲に妖精や視覚化した
地球によく似た球体の惑星の周りをキラキラした靄のような膜が覆って、そこから色とりどりの光が消えたり浮かんだりしている。
この膜が
百聞は一見に如かず、とはよく言ったもので言葉で聞くよりも視覚からならすんなりと入り込んできた。
「それで妖精達は抽出した
「生命力……!?」
思わず声を荒げてしまい、唯舞は慌てて片手で口を覆う。
”生命力”といえば恐らく
そんな物騒なものを差し出さないとこの魔法は使えないのかと驚愕すれば、訂正するようにリアムは笑う。
「生命力といっても一晩寝れば回復する程度です。貧血に近い状態だと思ってもらえばいいかな?
「………………なるほど?」
見てるだけで楽しい?と言われた弟のゲーム情報がこんなところで活きるとは思わなかった。
つまるところ、RPGで言うところの宿屋で休んだら体力精神力共に全回復、というやつなのだろう。
異世界転生や転移によくある神様や水先案内人なんて
(それにしても
聞いた話をまとめるように唯舞はふむと考えた。
この惑星が持つ
(
現世ではOLだった唯舞も自社の持つパソコンなどリース契約していたから何となく分かった。
ユーザーが
言われてみれば言葉もリイスとリースで分かりやすいし覚えやすい。
ファンタジーな世界なのに現実との共通点を見つけて唯舞はなんだか少しだけほっとした気持ちになった。
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