第7話 理力
「ちなみにさっきの
話題を変えるようにリアムは、少し声色高く言った。
「
「リアムさんが水ってことは他にも?」
「えぇ、イブさんが会った中ではエドヴァルト大佐は雷を、アヤセ中佐は氷の精霊と契約しています。それ以外のアルプトラオムのメンバーも風・火・大地の精霊と契約してますね」
おぉこれぞ聞いていたファンタジーだと
弟から聞いていた異世界での物語は魔法や剣で戦うものが多かったし、さっきの召喚の話を聞く限り自分にも何かしらの力があるのではないかとほんのちょっと考えてしまう。
「ただ、
「対価を……返す?」
どういう事だろうと唯舞は小首を傾げた。
弟がやっていたRPGのゲームでは魔法は
首を傾げたままの初心者の唯舞に対してもリアムは優しく微笑んで
「まず
リアムが作った水の球体はカップ、バケツと形を変えながらぐねぐねとその大きさを増していく。
そしてその後は一気にサイズを変えた。
「前線に立つ人間になると、大体このドラム缶くらいの
「え、っと……じゃあリアムさんも?」
こんなにも
そう思って思わず口から出た言葉だったが、リアムは少し照れたように笑いながらもどこか遠い目をした。
「そうですね、一応僕もドラム缶数個程度の
リアムのその言葉に唯舞は真顔ながらに驚いた。
普通の人がカップくらいで、前線に立つ軍人もドラム缶くらいの
そんな唯舞の考えを読み取ったようにリアムは苦笑する。
「そうなんです。アルプトラオムって化け物しかいないんですよ。僕は確かに一般の軍人よりかは
そう問われて唯舞はうーんと考えた。
ドラム缶数個もの
「……じゃあ、プールくらい?」
少し大げさだろうかとも思ったが、唯舞の脳裏にパッと浮かんだのは学校によくある25mプールだった。
いくらなんでもドラム缶から飛躍しすぎたかなと思ったがふるふるとリアムは首を横に振る。
「――――
「……………………へ?」
聞き間違いかとリアムの顔を見れば本当にげんなりとした表情で彼は遠くを見ていた。
どうやら唯舞の聞き間違いというわけでもないらしく、彼は再度唯舞に視線を合わせて諦めにも似た乾いた笑みを浮かべる。
「あの人達、二人して海くらいの
ね?本物の化け物でしょう、と付け足してリアムは盛大なため息をついた。
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