第21話 謎の美少女現る?
「あのさ、
「……うん、それはそうなんだけど……でも、何て言うか……あの子はほんとに内気で、いきなり知らない人と遊ぶとか、絶対できないって言うか……」
ともあれ……微かに届く会話から、ある程度流れは理解できた。つまりは、三河さんと小林くんが他校の友人と一緒に来ている斎宮さんに、その友人も含め一緒に遊ぼうと持ち掛けた。具体的には、どちらか一方の部屋で集まりカラオケを楽しもう、ということだろう。
……ただ、それにしても……うん、もうその発想がすごいなぁと。皆が共通の知り合いであれば、一緒に遊ぼうとなるのも解る気がしないでもないけど……全然知らない人ですよね? 斎宮さんの友達。なのに、その人も含め一緒に遊ぼうって……うん、これが僕みたいなコミュ障と、トップカーストに
……ともあれ、今は感心してる場合じゃない。どうにか
だけど……どうする? 言わずもがな、ここで僕が出ていくのはアウト。嘘が判明してしまう上に、僕との関係性に関し何かしらの誤解――具体的には、僕とそういう関係にあるとの誤解を与えてしまう可能性も皆無とは言えず……そうなれば、斎宮さんにとって百害あって一利なしだ。かと言って、当然ながらこのまま手を
「――あっ、ごめんなさい」
「あっ、いえ……その……」
卒然、僕に謝意を伝えたのは少しばかり年下と
「……あっ、あのごめんなさい! それでは!」
すると、再び謝意を告げ駆け足で去っていく女の子。そんな彼女の背中に、僕は――
「……あっ……あの!」
「……えっ?」
――それから、数分後。
「……あの、その……夏乃、ちゃん……」
「…………え?」
そう、おずおずと話し掛ける。すると、ポカンと呆気に取られた様子の斎宮さん。まあ、それもご尤も。何故なら、振り向いた視線の先には――小さな黒のシルクハットに金髪のツインテール、白を基調としたフリル付きの可愛いコスチューム、そして右手にはピンクのステッキ――いわゆる、魔法少女に扮した僕が立っていたのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます