第12話 エロ漫画の見過ぎ
「なにって言うか、
せっかくお土産を持ってきてくれたのに
気悪いかなと思って、申し訳なくなって…」
幸村は謝罪の姿勢である。
「朱里ちゃんと寝泊まりで
いやらしいことして、よくそんなこと言えるわね!」
桃華はどうやら怒っているぽい。
「ごめん、勘違い。
いやらしいこともしてないし、
俺が呼んだわけでもないし、帰って欲しかったし」
幸村は弁明する。
「え?!
年頃の男女が家で寝泊まりするって
言ったら、いやらしいことするしかなくない?!」
「桃華、エロ漫画の見過ぎだ」
桃華は勘違いをしていたらしい。
「べ、別に見てませんし!!!
で、でも、寝泊まりしてたのは本当じゃん?」
桃華は幸村に尋ねる。
(こいつ、めんどくせーな)
「桃華って俺の家に泊まりたいってことなのか?」
幸村は心の中で思ったことをしまって聞いた。
「ウッ…」
桃華が顔を赤くしながら無言で居る。
(図星ってわけか)
「答えないってことは
泊まりたいってことでいいんだな?」
幸村はさらに聞く。
それに対して桃華はまた無言である。
「今は色々あると思うから
落ち着いた時にLINE送ってくれよな」
(俺、かっこいいな)
幸村は所詮、思春期の男である。
「桃華のこと家まで送るから、行くぞ」
幸村はそういうと、
「本当に!行こう行こう!!!」
桃華は機嫌を取り戻したようだった。
しばらく歩いた後、
「ゆきくんは、女の子からモテるんでしょうね?」
桃華が幸村に問いかけた。
「俺ってモテてたのか?
てっきり、からかってるかと思ってた…」
幸村は驚いたように言った。
「じゃないと、あんな家まで乗り込まないでしょ」
桃華は正論を言うように言った。
(ん?待てよ?こいつも家に乗り込んで来たような…)
「そういっとけば、桃華も乗り込んで来なかったけ?」
幸村は桃華に問いかけた。
それを桃華は思い出したのか
「そ、それは、あの時、
美咲ちゃんが強引に私のこと連れて行ったし…」
桃華は慌てているようだった。
「まあ、いいや、
で、桃華の家ってどの辺にあるんだ?」
「え、えっと!
あれかな?一駅先だよ!」
桃華はまた慌てるように言った。
(ここであの時のももかってゆきくんバレたら終わり…)
「え?でも今向かってる方駅と反対方向だぜ?」
桃華の心の中と現実は上手くいなかいようである。
「あ、えーと、この辺ちょっとよくわかんなくて…」
「ふーん、そーなんだ」
(全然嘘!て言うか、後少しで私の家!)
桃華の心の中は騒がしい。
なんやかんやし、駅に着いた模様だ。
「もういいよ、ここで!」
桃華がそう言った。
「本当に家まで送らなくて大丈夫か?」
幸村が心配そうに聞いた。
「ゆきくん見たいな女垂らしに家なんか知られたくないしね!」
桃華が顔を赤らめながら言った。
「なんか今日の桃華、
初期登場時のツンデレしてた時の朱里みたいだな」
幸村が思い出すように言った。
「誰がツンデレよ!ゆきくんなんかにデレてないんだから!」
桃華が恥ずかしそうに言った。
「そうか、また明日な桃華」
幸村がそう言い、桃華は歩き出した。
「そうやって他の女の子と比べないでよ…」
桃華がボソッと呟いた。
「ん?なんか桃華言ったか?」
幸村が桃華に問うと、
「きもいって言ったのよ!」
振り返らずに言った。
(そんなに俺きもかったのかよ…)
幸村は落ち込んだ。
「そうだ、桃華、お土産ありがとう!」
幸村は数十メートル先に居る桃華にそう言った。
「昔から思ってたよ、
人に対する思いを忘れないのが良いところだって」
桃華が顔だけこっちを見て笑いながら言った。
「どう、私のこと少しは良いと思ったでしょ?
ゆきくん、顔に出過ぎだよ?
パイナップルの原産国みたいな赤さしてるよ?」
桃華が笑いながら煽るように言う。
「誰がパイナップルの生産量世界一位の
インドネシアの国家の上の赤色みたいな顔してるんだよ」
幸村が知識全開のツッコミを見せる。
※乙女ヶ丘高校の偏差値は県内トップレベルである
そして、桃華は電車に乗った。
「どうしよう、ノリで電車乗っちゃった…」
桃華は困ったようだ。
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