第2話 我、陰キャなり

とりあえず、冷静なることから考えたら幸村は、

少し前に家に送られてきた入学式直前説明の流れを

書かれた資料を見ることにする。

その資料には座席表もある。


「えーと、俺の席は… ここか…」

と、席に座って横見ると


(スーパー美少女がいる!金髪ロングで、THE ギャル のタイプ。俺とは掛け離れた存在だぜ…)

と、心の中で興奮する。


すると、

「あたし、桜井美咲。よろしく!」

と、スーパー金髪美少女が喋りかけてきた。


「お、お、俺の名前は椿幸村。よ、よ、ろしく。」

オタク全開の返しを幸村はする。


すると、

「今日なんで遅れたの?」

美咲は幸村に質問をする。


(昨日、夜遅くまで溜まってたアニメ見てたって

 言えるわけがないだろう…最近tiktokで見た、

 第一印象は人間史上最も大切。

 つまり、ここはオタクではなく、

 THE 陽キャみたいな返しをしないと…)


「そ、そうだね…こ、この街に舐めてるやつがいて けちょんけちょんにしてきたみたいな?」

幸村はかなり間が空いた状態で返す。


「ふっ笑笑笑。そんなバレバレな嘘で

 私を騙せると思った?笑。」

笑顔全開で美咲は言う。


もちろん、幸村はこんな美少女の笑顔を見て、何もないわけがなく、天井を見始めた。


「なに?恥ずかしくなっちゃった?」

美咲は追い討ちをかける。


「いや、天井が見たくなったので。」

幸村は冷静に返す。


「また、嘘ついたでしょ笑」

美咲は笑いながら言う。


(頼む。俺の心臓持ってくれ。今まで女子に

 話しかけられたのは、あの時以外一切ないんだ。)


なんとか耐え、入学式も終わり、

自分のクラスの席に座り、横を見ると、

(桜井美咲がいる?!)

幸村は、二度見した。

(そ、そんな偶然あるのかよ。)


すると、美咲が喋りかけてくる。

「あれ、椿くんじゃーん。よろー!」


椿は案の定、

「お、おう…奇遇だね…よろしく…」

オタク隠キャ丸出しの返事をする。


(こんなことあっていいのかよ…それにしても

 可愛すぎるな…可愛くて賢い、

 中学ではさぞかしモテていたのだろうな…)


ここで解説。乙女ヶ丘高校は、

地元では有名なとてつもない進学校である。

また、校則がとても緩く、髪色自由だったり、

パーマを当てたり、なんでもありだ。

だから、桜井美咲は金髪なのである。

決して、アニメ特有の髪色設定ではないと言う訳だ。


「てか、この学校ってゆきむらっち含めて

 男子3人しか居ないらしいよ笑。ウケるよね笑」

と、笑いながら美咲は言う。


「え、3人?確か、一学年300人だから、

 男女比1対99?!受験の時にあんなに

 男いっぱい居たのになんで?!」

幸村は何処となく焦っている。


「あの男達は、あたし達みたいな

 可愛い子狙いで来てるバカどもだからね。

 落ちるのも当たり前よ。ほんと男っていやねー」

と、美咲は言う。


「うちの学校可愛い子が多いで有名だしね。」

美咲の前の席のスーパー黒髪美少女が会話に参加してくる。


「あっ…」

幸村は、魂が抜けた。


「大丈夫?!」

と、美咲と黒髪美少女は言う。


「ゆき君、ご、ごめんね。自己紹介がまだだった…

 私の名前は一条桃華。よろしくね。」

桃華は焦るように言う。


「俺の名前は、椿幸村。よろしく…

 てか、なんで俺の名前知ってるの?」

幸村は桃華に聞く。


「え、えーと、今、

 美咲がゆきむらっちって言ってたし?」

桃華は誤魔化すように言った。


どうやら、美咲と桃華は知り合いのようだ。

すると、担任の先生が教室に入ってきた。

「お前ら静かにー!」

先生は声を張って言う。

と、同時に桃華が何か言った。


(今、一条さん何か言ったか?)

幸村は、桃華が何かを言ったのを

先生の声に掻き消された+ボソッと

言ったので聞き取れなかった。

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