突然エイリアンの養子として売りに出された俺。家庭入り祝いの脳手術でエイリアンの超能力をゲット⁉学校ではエイリアンであることを隠して生きてます。
秋一番
第1話
「安志!ちょっと大事な話があるんだけど!」
「ええ⁉なんだって⁉」
「だから大事な話!早く降りてきなさい!」
そんなに大事な話なら、ちゃんとドアの前まで来て呼んで欲しいものだ。この距離だとドアと階段越しだととても聞こえづらい。
「なんだよマ…母さん。大事な話って」
リビングに着くとすでに、父さんが真剣な顔をして上座に座っていた。
「とにかく座って」
いつもの椅子に座ると、そろそろ強度に限界が来ているのか「ぎぎぃ」という音がした。
「安志、公立高校の受験に落ちて、私立の学校に通うことになったじゃない?」
「何、まさかやっぱりうちはお金がないから働いてくれって話じゃないだろうな」
「……」
(え、まさか本当にそうなの⁉)
「実は父さん、会社をクビになっちまってな」
「嘘だろ父さん!どうするんだよこれから!それに一体何やらかしてクビなんかに」
「会社の金の横領と度重なる女子社員へのセクハラ」
「うわやったなぁお前……」
社会の流れに疎いから、セクハラについては多分やってるんじゃないかなとは思っていたが、まさか横領までとは……
「どうすんだよ!俺大学まで出て一流営業マンになるのが夢だったんだぞ⁉」
「落ち着いて安志!でもね、こんな私たちの代わりにあなたのことを育ててくれる優しい人が現れたのよ!」
「それって、養子みたいなこと?」
「そうそう!」
「お前を養子に招き入れたら、大学まで通わせてやれるっておっしゃってるんだ。しかも父さんたちにもお礼のお金をくれるって!」
「マジかよ!それを早く言ってくれよ!」
養子に出るのは少し緊張するが、両親と生き別れるわけでもないし、こんな条件で養子にしてくれるなんてきっといい人だ。
「ちょうど紹介したいと思って今日連れてきてるんだ。今合わせてもいいか?」
「もちろんだよ、話は早いほうが良い」
「じゃあちょっと待っててくれ」
そう言って父は玄関の方へ行き、誰かと喋りながらリビングへと戻って来た。
のだが……
「えっ、え、ええ…⁉」
目の前に現れたのは、人型だけどとても人とは思えない謎の生命体。
「こちらがお前の養親になる、TN―X990K出身のルシュツさんとチョメコさんだ。しっかり覚えておけよ」
俺の新しい家族は、宇宙人だった。
突然エイリアンの養子として売りに出された俺。家庭入り祝いの脳手術でエイリアンの超能力をゲット⁉学校ではエイリアンであることを隠して生きてます。 秋一番 @Aki1ban
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