第3話 犬・初討伐

退院して、家に帰ってきた。スマホを手に取り、ダンジョン適応症について調べる事にした。


「へえ〜やっぱり、珍しいんだ」


ダンジョン適応症は、ダンジョンに挑戦している探索者は世界で一億人以上いる。ダンジョン適応症になった人は数百人ぐらいととても珍しい症状らしい。


ダンジョンに適応するために、体を急激に変化させると言う説があるが未だに何故そんな現象が起きるのか分かっていない。


だけど、ダンジョン適応症になった人はダンジョン探索者として活躍しているらしい。動画配信サイトヌーチューブで配信している人がいるんだけど、その人はシッポがサメで歯も鋭くギザギザになってとても強く可愛いと人気。


僕も、何度か見たことがあるがコスプレじゃない事に衝撃を受けた。


しかし、僕はダンジョン適応症について調べているうちに気づいたことがあるが...ダンジョン適応症になった人全員が体の一部しか変化していない。


シッポが生えたり、耳が生えたり足が変化したりと、人間部分が残っている。


だけど、僕の場合だけ違う。僕は、完全に『犬』なんだけど....実際に見てないから確証は無いけど、僕は完全な柴犬になってしまうらしい。


一応....ダンジョンで適応して他の人よりかは強いらしいが...


「 犬なんだよな〜」


強そうには、思えないが僕は再び倒れた近くのダンジョンで試して見ることにした。ダンジョンに入り、数分後に僕の体が小さくなり犬に変身した。


「本当に犬になるんだ」


目線が低くなり、右手を見るとフサフサの毛に包まれた前足になっていた。四足歩行で歩くのに多少の違和感はあるが、しばらくウロウロしていると慣れた。


着ていた服は、リュックの中に口をと前足を使い何とか詰める事が出来た。


リュックを背負い、いざ2階層に向かった。昨日は、1階層では出現しなかったので、僕は二階層に向かった。


早速、2階層で数分歩き回りようやく1匹だけだがゴブリンが出現した。


「グル!?」


僕は、この小さな身体でゴブリンを倒せるか少し心配だが、僕はゴブリンに立ち向かうことにした。


「僕の前足アタックで、何とか倒せるだろうか」


僕は、ダッシュでゴブリンの元に走り前足を伸ばしゴブリンを殴ったのだが....


「グリュ?」


全く効いていない様子だった。変身したら強くなると思っいた。


「グリュゥウウウ!!」


ゴブリンは、僕の攻撃は効いて無いようだがゴブリンは怒り僕の方に棍棒を振り攻撃してきたが、僕の体は軽い。


軽やかに、ゴブリンの攻撃を避ける。あまり、やりたくはないけど、僕は口を開けゴブリンの首筋目掛けて噛み付いた。


「ギィギャアアア!!」


ゴブリンは、奇声をあげ消えた。ゴブリンがいた場所には魔石が1つ落ちていた。


「ん〜やっぱり、嫌だな〜口の中が変な味がする。だけど、僕の唯一の攻撃手段が噛み付きか....まあ、人間には出来ない最強の技なのだろうか?」


僕は、リュックを下ろし魔石を咥えリュックの中に入れ再びリュックを背よった。


もう少し、魔物を倒してみたいと思い3階層・4階層と下に進んだが魔物は1匹も出てこない。最下層の6階層に来たが魔物が出る気配は無かった。


魔物も出現しないし、そろそろ家に帰ろうと思っていると甘い感じの匂いがした。


「ん?」


首をかしげ、匂いを辿っていると地面の下からする。前足で、地面を掘ってみると大きめの魔石を掘り起こした。


「おお〜」


僕は、驚き口を大きく開け加えた。


「やっふぁ〜」


偶に、地面から魔石が出る事がある。探索者には、魔石採掘を専門としている人もいるらしい。地面からは、それなりに大きく安全にレア度が高い魔石を入手する事が出来る。


僕は、シッポをフリフリと振りながらダンジョンを出た。ダンジョンを出ると、少ししてから元の姿に戻った。


誰も居ない場所で事前にリュックから出していた服にすぐに着替え土から掘り出した大きめの魔石を持ち早速、探索者ギルドに向かうことにした。


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