第126話 卒業記念パーティー

ヤツらヒロイン共に最後の最後で心踊る『ざまぁ』を返すべく、不眠不休活動魔法おきるのだで新究極魔法開発に没頭した。まさにヤツらヒロイン共に意趣返しすることが、僕がヤツらヒロイン共熨斗のしを付けて送るざまぁだ。


その結果。危うく卒業式に遅刻するところだった。卒業生代表の挨拶は、こんなこともあろうかとルナールに任せておいて良かった。


僕が卒業生代表にとの声もあったが、事情があるとは言え、欠席の多い生徒が卒業生代表とは片腹痛い。その結果を鑑み、丁寧にご辞退させてもらった。決して面倒事に巻き込まれたくないとかの理由ではないぞ!


国王陛下、王妃を迎えてのプシューデント学園卒業式も何事もなく終わり、その後に行われる卒業記念パーティーの準備の為に全校生は一旦帰宅することになっていた。


各自、パーティー用の衣装に着替えてのパーティーとなるが、ヒロイン共には僕から特別に、この国一番のデザイナー『モォーリ・ハナーウェ』デザインのドレスと装飾品を贈らせてもらった。ジャージの時のような事が起きないよう、卒業記念パーティー用のドレスとしか要件を伝えなかった。僕自身は出来上がったドレスを見ていなかったが、きっと素晴らしいドレスになることは間違い無いだろうと思う。


何故なら超一流デザイナー『モォーリ・ハナーウェ』に発注したのが僕自身なのだから。





卒業記念パーティーの時刻になり、それぞれ会場となる学園の園庭に生徒達が集まって来た。


平民の特待生にはドレス、馬車など準備は出来ないのではないかと判断して、僕の方で準備させてもらった。ドレスなど衣装に関しては、ゲンタレやバーベキューコンロの売上がたんまりあるので、全て特待生にプレゼントしてあげた。 



――全ての人類よ。我を崇めよ! 僕の優しさに狂い死ぬが良い! グフェヘヘヘ!



ヒロイン達も会場へやって来た。


ルナールは青を基調としたドレスで、ルナールの気品と相まって麗しの淑女と言ったところだろうか。さすが、おじょビッチ&推しビッチ!


マリアは薄いピンクを基調としたドレスだった。装飾品も下品にならないようにシンプルな感じで可愛い系だと思う。さすが、ギャルビッチ!


メアリーは紺を基調とし、金糸と銀糸で刺繍されたドレスだった。その場にいるだけで、黒髪と上品と知性の塊が混同しているかのような美しさがあった。さすが、ムッビッチ!


フローラお姉様は紫を基調としたマーメイドドレスでボディーラインを全面に押し出したハレンチ…… 失礼。大人の魅力を全面に押し出したドレスだった。さすが、清楚ビッチ!&ドエロヴィッチ!


ミレーユのドレスは黄色を基調としたドレスで、なんとなくザ・小悪魔的な雰囲気があるミレーユの闇ヤバさを表現したドレスであった。素晴らしかなビッチ・ダ・ビッチ!&ガチビッチ!


クリスのドレスに関して、僕はノータッチだった。全ては母上の独壇場であった。発注困難と噂される天才デザイナーの『カッツラー・ユーミィ』に無理矢理というより、正義の力パワハラを駆使して強引に依頼し、さらに難癖を付けてはデザインを何度もやり直しをさせるというドン引きレベルの逸品であった。


クリスが会場へやって来ると周りから物凄い歓声が上がった。


クリスのドレスは…… なんと表現していいか分からないドレスだった。金色を基調とし、ドレスにはダイヤ、ルピー、エメラルド、サファイア、真珠など宝石類が至る所に装飾品されていた。卒業記念パーティーに、これは無いだろうと思うほど場違いなドレスであった。ロリビッチ恐るべし!


クリスの隣には母上が立ち、父上はビシッとタキシードを着込み二人をエスコートしていた。突然の国王陛下と王妃の参加に卒業生並びに在校生までもが、ここまでド派手にるのかと目を見開いていた。僕は父上と母上が卒業記念パーティーに参加するとかは聞いていなかった。


サンペータ達に確認を取ると聞いていない。完全なるサプライズであるとの答えだった。


王太子であり、実の息子にも教えないなんて、僕の王宮での地位は低さを物語っていた。


いよいよ卒業記念パーティーが始まり、立食用に豪華な軽食とデザート。そして、僕は悪徳教師達から強制かつ大人の権力で飲み物を提供させられていた。



ヒロイン達は何故か父上と母上の二人と軽食を楽しんでいた。まあ、クリスと一緒にいるということは父上と母上がセットで付きまとうというおぞましい事になるのだが……


ヒロイン達もさすがに会いたくても会えない国王陛下と王妃に表情は鋼鉄のように固まっていた。



学園側が手配した楽団の演奏が始まった。


「アレク様、私の最後のお願いです。い、一緒に踊ってもらえませんか?」


父上達から逃げて来たマリアが僕に声をかけて来た。僕に断る理由も無かったので、


「あっ、マリアかぁ。別に構わないよ」


「やったぁ!! アレク様ありがとう」


僕の安易な返答が後に『プシューデント学園の悲劇』と語り継がれる悲惨な出来事に繋がっていくとは、この時は想像すら出来なかった。そして、この数分後には僕は絶望を抱きながら後悔することになる。

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