第3話
最初に私は『あいさつ』の手話を
教えてもらった。
家族にはもちろん、
これから作るだろう友達と
より仲良くなれるように。
そう思ってお母さんは私に教えたと
後々聞いた。
よくニュースなどで見るような人のように
素早く動かすことは出来なかったが、
お母さんはそれでも褒めてくれた。
『すごいじゃん!』
『やっぱり未鳥は私に似てる』って。
お母さんは必ず口癖のようにこれを言う。
なんだか少し自画自賛が混じっているような
気がするのはいつものことだ。
最初の頃は、
覚えることがいっぱいありすぎて
習得をサボっていたが、
夏休みに入ると特にやることも無く、
暇だったためか手話の勉強は
最初の頃よりも捗った。
インターネットで調べて学ぼう。
そう思ったがインターネットは繋がらない。
スマホには圏外と表示されるばかりだった。
だからお母さんから本を貸してもらい、
それをひたすら読んで
お母さんと会話の実践してみたりした。
その本に聴覚障害者は口の動きを読み取って
会話する口話というものも
学んでいるそうだが、
きっと難しいことなんだなって思った。
だってここにはあまり無い
コンビニの店員さんは俯きながら
ブツブツと返事をするから。
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