第2話
田舎に来て良かったと思う。
近くに住んでいる人が少ないから
何か言われるかもしれないなんていう
心配をしなくても済むし、
田舎の方が微かな音でも綺麗に聞こえるからだ。
そんなある日、
家族にある提案をされた。
それは
『筆談ではなく、手話を学んでみないか』
という提案だった。
お母さんのお母さん。
つまり私から見ておばあちゃんに値する人は
耳が聞こえなかったらしい。
それでお母さんは手話を勉強して
おばあちゃんと話をしていたと聞かされた。
きっとお母さんも子供みたいに
実の母を愛していたんだなって、
大切にしてたんだなって気づいた。
しかも、
そんな心動かされるエピソードを聞いといて
『学ばない』なんて言えるわけが無い。
それどころか言いたくもなかった。
だから私はお母さんに『頑張って習得するね』
と元気よく返事すると
お母さんは過去一の笑顔を私に見せた。
それくらい母親にとって子は
大事なものなのだろうと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます