異世界社長 ～転生したらブラック企業を救う魔法経営者でした～

第10話 最終決戦！未来を切り拓け、セイヴァーズ社！

朝日が昇り、いよいよ運命の日がやってきた。最終決戦の舞台は、魔王カンパニー本社ビルの広大なホールだ。会場には多くの観客と審査員が集まり、異様な熱気に包まれていた。

「この戦いに勝てば、セイヴァーズ社の未来は保証される。だが、負ければ……。」

俺は社員たちを見渡し、静かに言った。

「絶対に勝つぞ！」

全員が力強くうなずき、戦いに挑む決意を固めた。

魔王との直接対決

会場の中央に立つ魔王。その巨大な体と威圧感に、観客は息を呑む。

「貴様らの奮闘ぶり、見させてもらった。だが、ここで全て終わりだ。」

魔王の背後には、彼が手ずから改良した最新ドローン『ダークホーク』が控えていた。その性能は圧倒的で、一見してスカイドローンを上回るように見える。

「見せてもらおう、セイヴァーズ社の力を！」

セイヴァーズ社のプレゼン

俺たちは自信を持って、スカイドローン3.5のプレゼンを始めた。

「スカイドローン3.5は、これまでの技術を結集し、多機能性と耐久性を極限まで高めました。そして、何より大切なのは……」

俺は観客に向けて、熱を込めて話し続けた。

「この製品が、皆さんの生活を豊かにし、未来を切り拓く力になるということです！」

リアが開発した改良技術や、メイが集めたユーザーの声、ルークの技術力。それら全てが詰まった製品のデモンストレーションに、会場は大きな拍手で包まれた。

魔王の反撃

次に魔王がダークホークのプレゼンを始めた。その性能は確かに優れていたが、魔王のプレゼンは冷徹で淡々としたものだった。

「我々の製品は、性能で全てを凌駕する。それだけだ。」

しかし、観客の反応は思ったほどではなかった。その理由は明らかだった。

「性能だけでは心は動かせないんだよ。」

リリスの決断

戦いの最中、リリスが魔王に向き直った。

「父さん、もうそのやり方は通用しない。人の心を無視したビジネスには、未来はない！」

魔王は一瞬動揺したが、すぐに冷笑を浮かべた。

「リリス、お前も私に逆らうのか。」

「いいえ、逆らうのではありません。私は、新しい未来を選ぶのです！」

リリスの言葉に観客の間から拍手が湧き上がり、魔王の威圧感が揺らいだ。

勝敗の行方

最終的な審査結果が発表される瞬間がやってきた。審査員の代表が舞台に立ち、こう告げた。

「今回の勝者は……セイヴァーズ社です！」

会場は歓声に包まれ、俺たちは思わず全員で抱き合った。

魔王の変化と和解

敗北を受け入れた魔王は、静かに俺たちに歩み寄った。

「貴様らの勝利だ。しかし、私が間違っていたわけではない。」

「間違っていたとは思っていません。ただ、時代が変わっただけです。」

俺の言葉に魔王は苦笑し、リリスに向き直った。

「お前の選んだ道を信じよう。好きにするがいい。」

リリスは涙を浮かべながら、父に深く頭を下げた。

セイヴァーズ社の未来

戦いが終わり、セイヴァーズ社はその名を世間に知らしめる存在となった。社員たちはそれぞれの役割を全うし、新たな挑戦に向かって進んでいく。

「俺たちはどこまでも成長し続ける会社だ。これからも一緒に頑張ろう！」

リア、ルーク、メイ、そしてリリス。それぞれが笑顔でうなずいた。

エンディング：未来を切り拓くために

空高く飛び立つスカイドローンを見上げながら、俺は確信した。

「この会社には、まだまだ可能性がある。」

そして、セイヴァーズ社は新たな一歩を踏み出した。