第3話 魔王の刺客との交渉バトル!初仕事の成否は!?

「話し合いで解決しようじゃないか。」


俺の言葉に、魔王の使者は腕を組み、不敵な笑みを浮かべた。


「ほう? 話し合いだと? この俺と、弱小企業の新入り社長が?」


正直、心臓はバクバクだ。だが、ここで退けば会社の未来はない。社員たちも不安げな視線を向けている。


「俺は現代の経営術を知っている。お前たち魔王カンパニーが力でねじ伏せるやり方ではなく、ビジネスの本質で勝負しよう。」


「……おもしろい。時間はやる。条件を示せ。」


条件提示:取引材料を揃えろ

会議室に魔法ホワイトボードを呼び出し、俺は条件を提示した。


買収価格:会社の評価額を基にした適正価格での交渉。

競争試験:双方の製品やサービスで売上競争を行い、結果をもとに勝者が条件を決定する。

「評価額だと? この会社に価値などあるものか!」


使者は鼻で笑うが、俺は言い返した。


「価値があるかどうかは、これから証明してみせる。」


社員たちとの一致団結

「社長、本当に大丈夫なんですか?」


技術担当のルークが声を潜めて尋ねてくる。彼の隣では、他の社員たちも不安げだ。


「大丈夫にするしかないだろ。」


俺はホワイトボードに戦略を書き込んでいく。


商品価値の向上:リアが開発中の「魔法ドローン」を商品化する。

営業の強化:社外とのネットワークを広げるため、既存の取引先にアプローチ。

社員満足度の向上:短期的にでも結果を出し、士気を高める。

「まず、リアが研究している魔法ドローンだ。これを市場に投入する。」


「え!? でもまだ試作品の段階で……」


リアが戸惑うが、俺は微笑んで答えた。


「試作品でも構わない。マーケットの反応を見るんだ。まずは動き出すことが大事だ。」


初勝負:魔法ドローンのプレゼン

翌日、魔王の使者を交えて行われた競争試験の第一ラウンドは、「画期的な製品のプレゼン」での勝負だった。


「これが、セイヴァーズ社の新製品『スカイドローン』です!」


リアが開発したドローンは、魔法のエネルギーで空を飛び、農業や物流に革新をもたらすものだ。社員総出で準備した簡易的なデモも成功し、観客はどよめいた。


「なかなか面白い製品じゃないか。」


魔王の使者が感心した表情を浮かべる一方で、次の瞬間、彼の部下が自社製品を持ち出してきた。


「こちらは、魔王カンパニーの新製品『ヘルズキャリア』だ!」


魔法による飛行速度はスカイドローンの倍近いが、燃料効率が悪く、維持費が高いという欠点があった。


勝敗の行方:ビジネスの本質

「製品の性能では向こうが上かもしれない。しかし、ここで勝つのは性能ではない。」


俺はプレゼンの最後にこう締めくくった。


「セイヴァーズ社のスカイドローンは、環境にも配慮し、維持費を抑えることで、小規模農家や地方物流の現場に力を与えることができます。これこそが、私たちが追求する価値です!」


観客席にいた農家の人々や小規模業者たちが次々に拍手を送り始めた。


初戦、勝利!だが課題も……

試験の結果、スカイドローンは評価を得て、契約先も増加。魔王の使者は悔しげに去っていった。


「おい、社長。すげえじゃないか!」


社員たちは高揚感に包まれ、俺も胸を撫でおろした。しかし、まだ課題は山積みだ。


「これで一歩前進だ。でも油断するな。魔王の本気はこんなもんじゃないはずだ。」


こうして、俺たちはさらなる戦いに備えることになった――!

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