第4話 魔王本社からの刺客、資金調達バトル勃発!
「さて、第一ラウンドは勝ったが、ここからが本番だ。」
翌朝、会社の扉を叩く音が響く。開けると、そこには見覚えのない男が立っていた。黒いスーツに鋭い目つき、その姿は明らかにただ者ではない。
「初めまして、私は魔王カンパニー財務部長、ザイルだ。」
低い声で名乗る彼は、手に分厚い資料を抱えている。その目は、俺を値踏みするように見つめていた。
「昨日の試験は見させてもらいました。なかなかの手腕ですね。しかし、資金力の差は埋められない。次は財務で勝負しましょう。」
第二の試練:資金調達対決
ザイルが提案した次の試練、それは 「資金調達額を競う」 というものだった。期間は1週間。期間内にどれだけの資金を調達できるかを競う形だ。
「どうやって資金を調達するんですか、社長?」
不安そうな表情を浮かべるルークに、俺は笑って答えた。
「資金調達は現代社会でも経営者の基本スキルだ。俺に任せろ。」
社長、クラウドファンディングに挑む!
リアが魔法技術を応用してくれたおかげで、この世界でもインターネット的な通信手段が存在することが分かった。そこで俺が考えたのは 「クラウドファンディング」 だ。
「クラウドファンディング?」
「そうだ。『セイヴァーズ社の新製品スカイドローンを広めたい』というメッセージで、支援者を募るんだ。」
社員たちは最初こそ戸惑っていたが、俺の熱意に押されて準備を始めた。
プロジェクトページを作成:スカイドローンの動画や資料を掲載。
支援のメリットを明確化:「早期購入割引」や「特別メンテナンスサポート」を提供。
広告展開:町の広場や、魔法通信ネットワークで告知を実施。
魔王カンパニーの資金力を目の当たりにする
一方、魔王カンパニーは巨大銀行を味方につけ、莫大な資金を短期間で調達し始めた。
「セイヴァーズ社など相手にならない。降参するのも時間の問題だ。」
ザイルの余裕たっぷりの態度に、社員たちの不安は募る。
「大丈夫だ、俺たちには俺たちの戦い方がある。」
小さな支援者の力を集める
プロジェクトを公開した翌日、最初の支援金が入る。それはたったの50ゴールド。しかし、支援者のコメントにはこう書かれていた。
「スカイドローンが農家を救う力になることを信じています。」
そのコメントを読んだ社員たちの目に光が戻り始めた。
「よし、俺たちも頑張るぞ!」
町中を駆け回り、プロジェクトを宣伝する社員たち。その熱意が次第に伝わり、支援者は日に日に増えていった。
最終日、奇跡が起きる
クラウドファンディングの最終日、目標金額の達成まであと500ゴールドというところで時が過ぎようとしていた。その時、突然リアが駆け込んできた。
「社長、大口支援者が現れました!」
「なんだって?」
画面を確認すると、そこには 「匿名支援者」 の名前と共に、500ゴールドの支援金額が記載されていた。
「これで目標達成だ!」
社員たちは歓喜し、俺もようやく肩の力を抜いた。
ザイルの敗北、そして次の動き
「まさか、この規模の会社でこれだけの資金を集めるとは……。」
ザイルは悔しそうに目を伏せた。しかし、すぐに顔を上げ、不敵な笑みを浮かべる。
「だが、これで終わりではない。次は魔王様自らがお相手することになるだろう。」
ザイルが去った後、社員たちは達成感に浸りながらも、次の戦いに備える決意を固めた。
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