『ずっと泣いててもいいよ』に関する覚書
尾八原ジュージ
覚書
2024年12月18日に完結したホラー長編『ずっと泣いててもいいよ』ですが、例によってプロットなどもなく、行き当たりばったりで書いていたので、途中で方向転換したり、こっそり公開分を修正したりしていました。
こちらはそういったことに関する覚書です。なお、大いにネタバレを含みますのでご注意ください。
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・こんなに長くなると思わなかった。12~13万字程度のつもりだった。
・さらに言えばコメディっぽい話にするつもりだった。連載六回目くらいで、なんか思ってたのと違うことになってきたな? と遅まきながら気づいた。
・正直あとからゴリゴリ修正すると思います。特に序盤の、連載全体のノリが決まり切っていないあたりは直したいので、いただいたコメントと差異が生じてしまうかもしれないが、ご承知おきください。
・駅に到着した鷹島(というか長下部麻美)を志朗が感知していたが、後々から考えて完全に失敗だった。そもそもあれクラスの怪異をいちいち感知していたら不眠症とかになりそうなので、ぜひ修正せねばならないと思っている。
・前作でがっつり使ったネームドのキャラクターをふたたびがっつり出そう、というう試みだったが、予想をはるかに超えて難しかった。まず神谷をどうやって書いていたのかが思い出せず、冒頭かなりふらふらさせてしまった。まだふらふらしているので修正が必要だと思う。
そもそも神谷自体が格段に難しいキャラクターに化けていた。初登場の『みんなこわい話が大すき』において、「うっかり人の死に加担した一般人」なので。事件が終わって普通の生活に戻った後、彼女はどうしていたのか? というのがものすごくネックになった。神谷さんは武士とかアサシンとかではないので、間接的にでも人の死に関わった以上、もう前の自分とまったく同じではいられないのではないかと思う。特に鷹島家にお邪魔した際は「死」に対してかなり敏感に反応してしまい、普通に行動できるようになるまでに連載二回分くらいを消費したと記憶している。
・あと正直、神谷は志朗にはあまり会いたくないんじゃないかな……という気もしつつ、話の流れでふたりきりになってしまい、本当に困った。志朗は覚悟ができてるよみごなので、人の死に耐性があり、神谷と温度差が違うのも困った。「一緒に地獄に落ちましょう」とか言っておいてその後二年間ほぼ連絡とらない相手、どう扱えばいいのか? どういう感じで会うのか? なんであれ会っていてあまり楽しくないのでは? とにかく今作において、神谷と志朗の組み合わせを書くのは、かなりきつかった。もう「とり憑いてるものの影響で、お友達になってくれなさそうな志朗をどんどん嫌いになることにしよう」という方針を思いついたら途端に楽になった。
・神谷が人を死に至らしめた過去に対して折り合いらしきものをつけるのに、二十五万字くらいかかったのだな……という気がする。
・宇佐美えりかはなんとなく登場した。神谷が寝ている間にどうなっているのか、目撃する人物が欲しかっただけだったが、急におかしな方向に舵を切ってしまった。彼女が「あさみさん」の名前を出したせいで「あさみさん」が分裂? するはめになってしまい、つじつまを合わせるのが大変だった。途中で「どうしてあそこで『あさみさん』なんて口走ったんだろう」と後悔することも多かった。
・黒木が今回スーツではなく、ガラの悪そうな服を着ていた件、もう少し活用できればよかったと思う。
・加賀美幸二に関しては以前からぼんやりと存在していたが、今回がっつり出すことができてよかったと思う。体質のせいで前途多難だけど、実家の神社のためにがんばってほしい。
・まりあは弟子入りから約二年を経て、かなりしたたかになってきたと思う。前はもっとふわふわしていたけど、たぶんタフにならなければやっていけないのだろう。あと志朗の影響。
・『みんなこわい話が大すき』に、神谷が自宅から志朗の事務所に行くまで県境をふたつ越えなければならないと書いたので、今回移動時間が発生して面倒だった。みんこわはもう印刷してしまったので、ここを変えるには神谷を引っ越しさせるしかない……地方では電車の本数も少ないだろうに、みんこわで電車移動をさせてしまったので、やはり電車に乗る人になってしまい、なお不便である。あと車の運転がハイパー苦手な人という設定が確定してしまった。がんばってわりと辺鄙な地方都市で生きていってほしい。
・つじつまを合わせていったら、長下部麻里子がものすごく厭なやつになった。命の価値をかなり軽く見積もっている。
・えりかを救うか死なせるか、最終回の一日前まで迷っていた。実は死んだバージョンも書いてある。
・コウメを出すことができてよかった。もうシニアです。
・キャッチコピーをいまいち回収できていない気がする。
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2024年12月18日現在、こんなところでしょうか? 何かあれば適宜書き足したいと思います。
本作の連載にお付き合いいただいた皆様、どうもありがとうございました!
『ずっと泣いててもいいよ』に関する覚書 尾八原ジュージ @zi-yon
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