WW6編 ナノ視点 第十八話 決着
花弁の刃は安息の結界へと到達する。結界はむつらの刻印により再生を続けるが、それを上回る速度で魔力の分解が進み、遂に6体のいる場所へ攻撃が届き始めた。そんな中、更に新たな攻撃が加わる。表面全てを桃色の光に覆われた、無数の長い刀が無防備になった6体へ向け一斉に突撃する。真実という最高戦力を失い、計七種類の攻撃に包囲された彼らはなす術なくしたが、簒奪の指揮で最後の抵抗を見せた。
簒奪「侮蔑、私と貴方で出来る限り敵の攻撃を無力化します。その間に、不殺と安息は何とか真実の喉を再生させて下さい。飢餓は私たちが撃ち漏らした攻撃の相殺を頼みます」
侮蔑「刻め、破極」
簒奪「絡み付け、アバリティア」
飢餓「輝きを放て、ブリザレヌ」
三人の連携で何とか攻撃を受け流していく。しかし、桃色の領域の中では360度余す所なく矢と斬撃が犇き、一発、また一発と傷を負っていった。そして遂に、幕の中心部から降りる螺旋状の斬撃が簒奪へ直撃した。苦痛に悶え、ほんの一瞬動きを止めたその刹那。桃色の嵐は簒奪の体を完全に包み込んでしまった。
簒奪「あぁああぁぁ!!!私はもう駄目です…貴方たちは…どうか…」
侮蔑「簒奪!!こんな簡単に死ぬなんて!なんて情けないのよ!!」
彼女の脱落を皮切りに、十禍たちは完全にその鮮やかな弾幕に押し負けた。
安息「まさかこんな結末が…私は認めぬぞ!」
不殺「見事であったぞ、若人よ…この絶景をもう見られぬのは名残惜しいが、あの様な蒼き才気は、儂なんぞには眩しすぎる輝きじゃ…ここらが散りどきであろう…」
ついに6体は完全に嵐に飲み込まれ、遺体は欠片ほども残らなかった。嵐が止むと、6体がいた場所には6本の桜の木が佇んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます