MW WW6編 ナノ視点 第十四話 本領
簒奪(あれは…十四の章・閃華!詠唱破棄であの量とは!)
突然の危機に対し、安息と不殺が真実を護るための行動を取った。
安息「拒絶せよ、救世主!」
不殺「祓え、むつらの刻印!」
安息のペンダントが分裂し、四本の槍へと変わる。槍は四方向に拡散し、四本の柱となった。柱を起点に六面体の光に包まれた領域が形成された。そして生まれた領域に、不殺が杖を突き刺す。そこから緑色の瞳の形をした刻印が生まれた。二人の技により難を逃れた後衛の3体。しかし、他の3体はその攻撃を浴びることになる。
簒奪「かはっ!」
侮蔑「ちょっと!予備動作無しでこの質量の攻撃なんて聞いてないわよ!」
飢餓「…………」
無数の矢は、着弾すると一本一本が爆発を起こす。爆煙が立ち込める中、ナノは間髪入れずに次の攻撃を叩き込む。
ナノ「破式・虚王閃」
飢餓へ向けて杖を突き出すナノ。輪郭の見えない体に向け、はっきりと標準を合わせると、杖からは真っ黒な閃光が直線上に飛び出した。その光は彼女の全身を包み込み消し炭にした。
侮蔑「嘘でしょ…こんな一瞬で…」
ナノ「ようやく一体だ…厄介な妨害技は消えた、これで私も全力で戦える」
真実「そうか、だが残念だったな…お主の放った光線は飢餓には当たらなかった」
ナノ「まさか!」
真実がそう唱えると、消え去ったまずの飢餓が再びその姿を見せた。まるでそこにいるのが当たり前かのように。
不殺「お前さんもなかなか筋が良い。確かに真実の能力は人の生死まで書き換えることはできん。ここまではいい読みじゃ。だが、他者の死因を存在しなかったことにすれば、間接的にその者を生き返らせることができる。一歩及ばなかったのう…」
ナノ(なるほど…飢餓に一切の護衛を付けないのには違和感があったが、こういうことか…)
ナノ「二の章・千本桜」
ナノが放った矢は分裂し、爆発と共に無数の矢が拡散。塞がれた視界の中で次の手を打つ。
ナノ「書き換えよ」
真実の懐に潜り込もうとするナノ。しかし、座標情報を真実の背後に書き換えたはずのナノは安息が展開した結界に衝突した
ナノ「なに!」
安息「残念だったな。私の結界は、領域外からのあらゆる干渉を拒絶する」
間髪入れず、背後から侮蔑と簒奪が斬りかかる
ナノ「書き換えよ」
再び後退し、真実たちから距離を取るナノ
ナノ(ならば、先に結界を壊すのみ)
ナノ「四の章・暗転の牡鹿」
辺り一体の光を吸収し、牡鹿の形をした魔力の矢に変換すると、今度は安息が展開する領域に向けて放った。しかし、その矢は不殺が生み出した刻印により吸収された
不殺「なかなか良い威力じゃ!だが、むつらの刻印は、刻まれた対象を死から完全に隔離する!力押しでは超えられんぞ、さあどうする?若人よ!」
ナノ(脅威は真実だけではない…取り巻きたちも十分に無法な力を持っている。暫く様子を見つつ、2体の防御を突破する術を見つけなくては)
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