WW6編 ナノ視点 第三話 速攻

ナノ「書き換えよ」

自身の座標情報を書き換え、一瞬で3人の間に割り込むナノ

ナノ「破式 聖清莫流」

約束の二秒が経過し、ナノは右手の弓ではなく左手の怜杖を振るった。ナノの周りには濁流のような斬撃が何重に折り重なって現出した。

しかし、3体は0時、4時、8時の方向に散会し、易々と回避する。

破壊「本当に何も言わずに攻撃だなんて無粋だねー律儀に2秒待ってくれたのは感心だけど」

破壊の方を向くと、ナノはすぐさま次の攻撃へと移る。

ナノ「破式・宵刀」

杖を真っ黒な刀に変化させ、破壊に向けて振るう。現れた斬撃は黒い波となり襲いかかる。

破壊「よっと、危ない」

しかし、破壊も軽い身のこなしで宙を舞い回避する。高度を増し距離をとった破壊に対し、ナノは武器を弓へと持ち替える。

ナノ「一の章・炎旋風」

放った一本の炎の矢は周囲に何重にも熱波を放ちながら、破壊へ向けて突撃する。

破壊「当たらないよー!」

彼女がマイクを軽く振るうと、小さな波動が発生し、炎の網に穴が開き破壊は悠々と逃れた。

姦淫「司令塔を潰すのは良いが、背中がガラ空きじゃぞ」

ナノと破壊の戦闘の後ろから、翼を広げた姦淫が接近する。飛行中にも大量の羽を辺り一面に撒き散らしている。その後方では沈黙がクナイの様な形をした概念体をナノに向け放っていた

ナノ「はあ…!」

ナノの背中に生えた紅蓮の翼が熱風を放ち、2体の攻撃を弾き返す

ナノ「五の章・暗転の牡鹿」

破壊(は、暗闇が!)

破壊は口元にマイクを近づけて唱えた

「守って!黒の章!」

破壊の周囲に黒い輝きを纏った偶像が大量に現れ、破壊の盾となった。しかし、暗闇が晴れても偶像が盾の役目を果たすことは無かった。

ナノ(狙いはお前ではない)

姦淫「な……!!」

闇が晴れると、矢として現出した牡鹿は姦淫に向け突撃した。破壊へ集中攻撃をしていたナノから放たれた予想外の一撃、黒い光を放つ矢は姦淫の腹部を貫いた。

破壊「姦淫!」

ナノ「二の章・枝垂千本桜」

分裂した矢は爆発と共に次々と姦淫に突き刺さり、穴だらけになった体に無数の桜の花を咲かせた。そして見るに耐えない姿になった姦淫は一言も発する事なく地上へと落下していった。

(やけにあっさりとやられたな…だがまずは一体仕留めた…)

破壊「そんな……姦淫が……」

ナノ「あの傷の上に魔力まで吸われては、まず命は無いだろう。先を急ぐゆえ、貴様らも直ぐに仲間のもとに送ってやる。」

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