MW WW6編 ナノ視点 第二話 接敵
敵の能力者たちも、ナノの姿を確認した。すると彼らは、3:6:1の三手に分かれ、地上へと急降下した
ナノ「行かせるか!六の章、炎爪!」
10本の炎を纏った矢が、彼らに向けて放たれる。しかし、その攻撃は敵の一人に容易く防がれた
姦淫「貪れ、抱擁の翼」
突如として禍々しい色をした羽がナノの眼前を覆う、放った10本の矢は羽に包まれ姿を消した。羽が全て飛び去り、その主が姿を現した。
姦淫「初めまして、とでも言おうかのう…我ら全員を倒そうと息巻いているところ気の毒じゃが…まずは童の相手をしてもらおう…」
現れた敵は、外見は人間と変わりなかった。しかし、変色した血のような髪色に、高身長のスレンダーな身体にはあちこちに傷のような紋様が刻まれ、痛々しく威圧的な容姿をしていた。
破壊「ちょっとー!こっちのチームのリーダーはボクだよー!勝手に役割取らないで!ボクたち3人で提督さんを倒すんだから!そうだよね!沈黙さん!」
沈黙「…………」
破壊「って、何も言うわけないか…」
悪魔を思わせる容姿をした能力者とは対照的に、声を張り上げた能力者は低身長にやや幼い顔立ちで可愛らしい容姿をしており、若い女性のようだ。露出と飾り付けが多い服装はどこかアイドルのようであった。右手には見慣れない小型の機械を持っている。あれはマイクと言うのだろうか。更にその後ろで、黒づくめの細身の男が一人佇んでいる。覆われた顔は昏い瞳しか見えないが、うす気味の悪い無表情を浮かべているのを感じた。
ナノ「悪いが、戯れに付き合っている暇は無いのでな…かかってこないのであれば、6体が落ちた方に向かわせてもらう」
破壊「ゴメン、ゴメン!悪かったから、話くらい聞いていって!ボクたちの情報はキミだって欲しいはずだよね?」
ナノ「2秒だけ待つ。いかなる理由があろうと2秒後に攻撃を開始する」
破壊「オッケー!ありがとう!じゃあ改めて名乗り……たいところだけど、残念ながらボクたちには名前が無い…ボクたちは、女王陛下が大切な人の死によって抱いた、十の感情を基についさっき作られた、人形みたいなものだからね…そうだね、ボクは感情の名前を流用して、「破壊」と名乗っているんだ!」
姦淫「童は…「姦淫」…」
破壊「そして彼は…「沈黙」だね!」
沈黙「………」
破壊「じゃあ次は、僕たち10体の総称だね!チーム名はまだ決まってないんだけど…陛下の想い…大切な人の死…10の感情…じゃあ、「葬想十禍」と名乗ろう!チーム葬想十禍結成だーー!!やったー!」
破壊「さーてと…では改めて、僕は破壊、葬想十禍の一人で陛下に創られた作品!目的は知っての通り、ミスタルシア本土の破壊!うん、ボクにぴったりの仕事だね!その名の通りボクたちは、君たちミスタルシア人を滅ぼしに来た10の禍!まずはボクたち3人を相手して貰うよ!」
姦淫「何を言うか…破壊…このような小娘、まずは3人と言わずとも、童一人で片付く…」
破壊「もーー!!姦淫ったら!チームワークが無いんだから!そんなだからメインチームから外されちゃったんだよー!」
ナノ(なるほど…これで大方の情報はいただいた…奴らは分霊箱と見て間違いなさそうだな。間もなく約束の2秒間が経過する。さあ、お手並み拝見と行こう!)
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