MWシリーズ(自分用)

@492901

WW6編 ナノ視点 第一話 襲撃

〜〜〜WW6期 マギス郷にて〜〜〜

ナノ (この日のマギス郷は静かな曇り空が広がっていた。草木は微かに揺れ、私たちの不安定な心持ちを写すように、陰惨な靄がかかる、どこか嵐の前の静けさを思わせる空模様であった。今日この日、我が国の誇る二人の軍人、双華は陸軍の大部隊を率いてマナリア本国へ出払っていた。15年に渡る大戦を終わらせるための一世一代の大博打、アブソリュート作戦を遂行するため。計画は順調に進行し、着実にマナリア陣営を追い詰めているとのこと。しかし、彼らにはまだ切り札があった。それは全マナリア民族の象徴たるプリンセス・アンであった。彼女は高い魔法の素質を持つマナリア王家の中でも、歴代最高傑作と呼び声高い天才。WW5期にその力を上昇させた彼女の力は神の水準まで達しているとのこと。彼女が本気を出せば、国家間の戦争などというゲームのルールを破壊し、全ての人類を滅ぼすこともあり得る。ミスタルシアの双華、エミリア指揮官とリーシャ空軍元帥ですら止められる保証は無い。二人もミスタルシア史上最強と名高いコマンド能力の使い手だが、やはり神の力を持つアンには届かない。なんとか二人の連携と可能性がアンを上回ることを祈るのみだ。そして、リーシャ元帥の一番弟子である私は、ここマギス郷の留守を預かった。もしもプリンセス・アンがミスタルシア本土を攻撃すれば、抗える能力者は私のみ。師匠たちが安心して戦えるよう、私は私の役目を果たすのだ。)

ウ〜ウ〜カンカンカン

ナノ 「何だ!これは全国民の生命が危機に晒された時に流れる1級警報の音だ!」

ナノの部下たち「な!なん……だと……」

拡声器越しにルミナスの声が聞こえる

ルミナス「こちら、ミスタルシア共和国首相ルミナスです。マギス郷全市民及び軍関係者の皆様、落ち着いて聞いて下さい。

先程本州-マキナ間国境部の魔力遮断結界が破壊され、敵国から派遣された10体の能力者が侵入しました。彼らの力は強大であり、市民の皆様は直ちに避難が必要です。軍人及び治安隊各位は、計画書に従い市民の方々をレヴィオン鉄道マギス北駅まで誘導せよ。また、此度の作戦では、全軍人はその階級に関わらず、魔力指数1兆未満の者の自発的な戦闘を禁ずる。該当する者は、敵の能力者を見つけた場合は直ちに逃走し、民間人の保護を最優先に行動せよ。シャルロッテ中佐以下12官は、すぐさま虚影兵の保管庫を解放し各地に展開。ナノ提督以下4官は所定通り戦闘配置に付け。以上!」

ナノの部下たち「なん…だと…」

ナノ「お前たち、首相の仰った通りだ、マギス郷は危機に瀕している。私が戦っている間に、なんとしても市民の方々を守れ。良いな!」

ナノの部下たち「は!」

市民たちの叫びや走り回る人々の騒音がこだまするマギス郷。悲壮の色に染まった都市のど真ん中で、ナノは覚悟を決めた表情を作り、空を見上げていた

ナノ(大きな魔力がどんどん近づいてくる…もう猶予は少ない…)

ナノ提督「奥義顕現・紅蓮永遠翼衣」

ナノ背中から炎の翼が生え、空へと浮かんでゆく。雲の上まで登ると、彼女はついに敵の姿を目視した。

ナノ(いた!本当に十体の能力者だ!恐らくミネルヴァと同じ分霊箱だろう!)

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