月詠さんちは極道でした。しかも、人間じゃなくて妖怪という。
くうき
プロローグ:貧富格差の大きい幼馴染に嫉妬すらできないけど、常識は疑うことってできるよね。
常識が通用しない、そんなことがたくさんある。アルバイトとか、社会に出た時、自分が思い描いていた理想と現実が乖離していたなんてことはたくさんあるだろう。
そんな俺、此ノ花咲夜もその一人だ。家業は神社。何か、家も神様の末裔だとかなんだとか。今は高校一年生の冬になった。
「咲夜!!お前、部活に入らないのか!?」
「えっ??あぁ、家業があるから無理。」
「だよなぁ、何でそんなに家業に専念してるんだよ。」
「まぁ、色々とあってなぁ~。」
俺の体は少しだけ、特殊であり、父と母からまぁ、何だ色々と制約が掛けられている。なんか、先祖返りで神様の力を持っちゃったとかなんだとか。その前に両親が蒸発しちゃったんだけどね!!ハハハハ(遠い目)
「あの~、此ノ花くん。」
「………あぁ、かぐやか。どうしたの?急に。」
「少し話したいことがあるのだけど、生徒会室に来てもらっても??」
「あ、あぁ。」
何もしてないはずなのに、急に幼馴染であり完璧美少女。おまけに家が太くて金持ち。と何でもかんでも持っている、月詠かぐや。何故、幼馴染なんすかね?こんな経済格差ができる幼馴染もあるのですかね??ちなみに、俺の家はほぼ無一文だよ?山暮らしだから何とでもなるんだけど。
とか。一人語りしてたら生徒会室についていた。小説かよ?生徒会ってそんな権力あんのかよ。
「さて、久しぶりに話すね、咲夜。」
「だなぁ~、かぐや。そういや、体調大丈夫だったか?最近、休んでたし。」
「大丈夫よ。少しだけ、風邪で寝込んでただけよ。」
「そうかい。かぐや、それで本件は?」
「実はね、誘拐されそうなのよね。」
「は?」
随分、突飛なことが飛んでくるもんだなぁ~。誘拐?非日常な音が出てくるんですか?この金持ち一家は。
「それで?何が言いたい?」
「此ノ花家六代目当主であり、神主の咲夜に私のことを救出してほしいのよ。」
「へぇ、正式な依頼なわけか。」
「そうよ。それで、報酬に関してだけど。それはまだ明かさないわ。」
「含むねぇ、何かやましいモノでも抱えてるのか??」
「とりあえず、まだ言えないのよ!!」
強気で言ってくる、かぐやは俺に向かってむくれっ面で見つめてくる。そんな姿も可愛いと思えるくらいに彼女の顔は整っている。畜生!!俺にもそんな順風満帆な人生が送りたかった!!
そうして、時間は数日後へと進んで行った。
「………」
「…………おい。」
「あっ、ハイ。ナンデショウカ?」
「何でしょうか?じゃねぇわ!!このクソガキ!!」
………え~、何と言うことでしょ、誘拐している人間は、人間じゃありませんでした。つか、ナニコレ??明らかに、顔とかパーツが人間じゃないところあるんですけど!?尻尾生えてる奴いるし。
「いやぁ、めんどくさいから言うけど、この誘拐されてる女の子、俺の彼女だから、返してもらうね??」
「それで、うんと簡単に言うとでも??」
「知ってた。でも、言わせるよ。それと、かぐや、お前なんか映しちゃいけない顔してるけどダイジョブ??」
かぐやさんは、正直モザイクを掛けてもいいくらいに顔が妖艶に蕩けて、正直そういう経験のない男を殺すことできるんじゃね?とも思った。そういや、俺も経験ないけど。
まぁ、とりあえず癪だけど、あの映す価値なし美少女を助けますか。
「とりあえず、敵の皆さん。少し覚悟はしといてくださいね。俺、今からアンタらの寿命を頂きますんで。」
「は?なにをいtt………」
まず一人。
「てめぇ!!よくもっ!!」
「いいのか?お前、自分の寿命を息吹かれて消されちゃうよ?」
「うるせぇ!!死ねや、クソガキ!!」
「威勢がいいことで。でもね、それでも、君は死ぬんだよ。」
二人、ずいぶんと気持ちわりぃ顔してる。あぁ、吐きそ。さてと、三人目三人目。
「さぁ、少しだけ問題を出そうか。日本神話にはたくさんの神様がいる。八百万と言われ、それぞれの神様によって統治されているんだよ。」
「な、何が言いたい!!」
「まぁ、俺にはナイフ一本も攻撃をすることが不可能なんだよ。」
「クソがっ!!お前に何ができるんだよっ!!」
チンピラさん、俺にナイフをぶん投げる。でもさ、投げナイフでもないナイフが………いや、コンクリート壁にぶっ刺さってるんですが。やっぱり人じゃないよなぁ~。俺が人のこと言えないんだけど。
「死ねや!!クソガキ!!」
「随分と、遅いね。あの世で詫びてきな。」
チンピラさんの心臓を強制的に停止させ、意識を飛ばさせる。もう目覚めることもないし。合掌。
「さてと。大丈夫か?かぐや。うん、大丈夫だな。問題ないな。そんなアヘ顔だったら問題ないよな。」
「しゅき~♡。結婚してぇ~♡」
「うん、いつものかぐやだ。じゃあ、俺はこれで………」
その時、俺の腕をかぐやは強く掴む。そして、彼女は俺のことを縄で縛り始め、催涙ガスで俺の意識を刈り取った。
月詠さんちは極道でした。しかも、人間じゃなくて妖怪という。 くうき @koooodai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。月詠さんちは極道でした。しかも、人間じゃなくて妖怪という。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます