第5話 フドラ


俺の名前はフドラ。


いわゆる転生者で、前世は日本という国で過ごしていました。


この世界に転生してきた俺は別に女神に会ったりしていない。


勿論、チートなんて持ってない。


だけど、俺だけが知っている真実がある。


それは『転生』


死んだら次がある事だ。


俺はドルマンが好きだった。


親友だ。


幼馴染の三人も好きだった。


イザベルも愛してたけど、結局はドルマンに取られた。


それでも、前の世界よりこの世界は楽しかった。


最後の最後裏切られるまで夢のような世界だった。


だから直接復讐なんてしないで『ただ死ぬ事にしたんだ』


親友、幼馴染の死はドルマン達にどう影響を与えるのか......


そこから先を俺は知る事は出来ない。


ドルマンや三人は俺の死をどう乗り越えていくのだろうか?


本当に親友や仲間だと思ってくれていたなら、悲しむ位するだろう。


『俺と言う存在を忘れさせない』


これが俺のささやかな復讐だ。


流石に、親友や幼馴染だ。


自分達が原因で、自殺した俺の事を決して忘れる事はないだろう。


俺を忘れて幸せに暮らすのか......それとも少しは悲しむのか解らない。


ただ『俺と言う存在が居た事を忘れないでくれれば良い』


それだけで良い。


最悪、偶に花でも墓にあげてくれれば文句はないさ。




転生がある事を知っている俺に死は終わりじゃない。


新しい人生の始まりだ。


親友だった、好きだった幼馴染だけど俺はもう君達の事は忘れる。


忘れる俺と忘れられない君達.......これで良い。




『今度こそ……』


次の人生は幸せになってみせる。


俺を愛してくれる仲間に巡り会えるだろうか?


背中を預けられる親友に出会えるかな.....


『さようなら、みんな』


白い空間で俺は次こそは幸せになりたい。


そう願うのだった。



                     FIN

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