第4話 4人のそれぞれ
あの日を境に僕たちの日常は変わってしまった。
僕事エルザはそう思う。
何を聞いてもドルマンはうわの空。
そして、良くイザベルを責めた。
イザベルは『自分がフドラを殺したんだ』と自分を責めて精神崩壊を起こした。
自殺をしようとするイザベルをどうにかするには教会に入れるしか無かった。
セシリアが説得した結果、イザベルは修道女となり、残りの人生はフドラのお墓の傍で修道女として生きていくそうだ。
自殺されるよりはまだ良い。
「ねぇ、エルザ……」
「解っている。もうこのパーティは終わりだわ」
フドラがいなくなって初めて解った。
雑用が如何に大変かって……
フドラが、貧乏くじを引いて嫌な仕事を引き受けてくれていた。
だから、このパーティは回っていた。
もめ事も無く、過ごせたのもフドラが間に入ってくれたからだ。
フドラの死はドルマンを大きく変えた。
何処にも自信に満ちたあのドルマンは居ない。
『自分のせいでフドラが死んだ』
いつも自分を責めている。
それは、僕たちの恋愛の終わりも意味していた。
三人でいて逢瀬をしても、フドラの死が思いだされる。
僕やセシリアがドルマンを抱きしめてもドルマンは
『俺がハーレムパーティなんて望まなければ』
そう言い涙を流すだけだ。
もう真面に恋愛なんて出来ない。
このパーティはフドラも含んで幼馴染のパーティだったんだ。
僕にはそう思えてならない。
◆◆◆
「すまない……このパーティを俺は解散する」
「そうね、イザベルもいないし、フドラも、悲しい事しか思いだせないからそれがいいわ」
「僕もそう思う、三人でいるとフドラの事ばかり思いだすから、僕も賛成」
フドラ……俺はお前から全てを奪った。
お前はこんな事を望まないと思うけど……俺も全て手放すよ。
ゴメンな。
◆◆◆
セシリアは教会の一ヒーラーとして、エルザは剣を捨て給仕として、そして俺は冒険者を続けていく。
きっともう、三人の道は交わることは無い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます